(2024年9月)ソラマチでみた大道芸 その2
(つづき)
東京ソラマチ、4Fのスカイアリーナ。
時間は午後2時を回ったところ。
暑いけれど、砂漠気候のような8月のころの尋常ではない強い照りつけはなく、高所4Fの野外広場ということもあって気前よく風が抜けています。
東京スカイツリーのタワーの入口近くで、1人の男性がなにか道具を使ってデモンストレーションのようなことをやっていました。
チビッコを連れた複数の家族連れが、その男性を眺めるように腰を下ろしています。
どうやらここで大道芸が始まる模様。
その男性(実は大道芸人の人だった)は、いかにも大道芸人の人らしく大きな一輪車を持ち出して来ました。
一輪車に器用に乗りながら、マンガに出てくる山賊が持っているような大きなナイフを一本だけ使って投げたり足の下を通したりしているうちに、見物客がだんだんと増えてきました。
派手で目立つ背の高い大きな一輪車で一定のお客さん数を集めた後、10個サイコロを使った芸や水晶を使った芸など細かい芸を披露することで、お客さんがぎゅぎゅっと近づいて来て大道芸的一体感が出やすい状態を作り上げて行きました。
そんな感じで「大道芸」を構築する大道芸人の人は、絶え間なく喋り続ける。
その大道芸人の人の話によると、彼は大道芸の世界大会に出場し大道芸の世界チャンピオンに2回なっているという。
どんな基準で大道芸に優劣が決まるのかピンとこないけど。
とにかく「すごいらしい」ということは伝わった。
確かに、その細マッチョな体型は訓練の後を感じさせる何かがある。
大道芸人の人は大道芸でおなじみのクラブを5本持ち出す。
そして一言。
「チャンスは10回」←おい、ずいぶん多いなw
宙に舞う5本のクラブ。
キャッチしきれずに無残に地面に落ちるクラブ。
大道芸人の人は言う。
「難しい技はわざと1回、2回失敗してから成功した方が難しさが伝わって盛り上がる(師匠の言葉)」
なるほどなぁ。
その後も容赦のない風の影響か、何度か連続して失敗。
それでも10回あるチャンスの中で成功を果たして次の演目へ。
お椀をふたつ背中合わせにしたようなコマを、二本の棒&紐を使い巧みに操り始めました。
次々と技を繰り出したり、小さいコマを高~く上げたりしながら、お客さんを盛り上げて行きました。
大道芸人の人はこのコマを小学生のころから20年やっているといいます。
20年。
気象庁のマスコットキャラクター「はれるん」は2024年時点で生誕20周年です。
同じ20年でも、大道芸人の人のこのパフォーマンスは「はれるん」の知名度を圧倒的に凌駕してます。
それから、筒の上に板を乗せグラグラとバランスのわるいところに登りました。
そして事もあろうにその状態で逆立ちしたり、縄跳びしたり。
大道芸人の人はグラグラしながら二本の小ぶりなフラフープを体にくぐしたり。
まるでバランス芸の達人です。
最後は台を積み上げ、3m近いと思われる高さ(飛吉目測)でグラグラした上に乗るらしい。
そして。
乗った瞬間、大きな拍手。
さらに大道芸人の人はそのまま、大きな山賊ナイフを3本投げ回しました。
真横には世界一高いタワーである東京スカイツリーをのぞみ、迫力ではそれに劣らない高さの台の上でグラグラしながらナイフを投げ回す大道芸人の人。
拍手と感嘆の声が聞こえるなか、大道芸は終了しました。
30分ほどの時間ではありましたが、目の前で迫力のある大道芸に、驚き、笑い、楽しんだ人々の表情には、動画や画面を通してではわからない「体験の価値」が現れているように感じられました。
おわり