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(2024年10月)上野でみた大道芸 その2

(つづき)

日常、公園の広場で見かけるには随分と高さのある大掛かりな器具を設置している男女2名がいました。
6mから7mぐらいの高さがあるでしょうか(飛吉氏目測。ぜんぜん違うかもしれないけど見上げるほどの高さがあり、けっこう高い)。
男女のうち一方はモスグリーンのズボンをサスペンダーであしらい、蝶ネクタイを付けた背の高い男性で、もう一方は目を引くような真っ赤なワンピースを着た小柄な女性でした。
準備を進める段階で、一体なにが始まるのやら?と早くもお客さんが集まり腰を下ろしていました。
お客さんからクラブを投げ入れてもらい、男性が3本のクラブで器用にジャグリングを始める頃には、すでに150人から200人ぐらいは集まっていたかもしれません。
チャップリンが被っているような帽子を投げたり自由に操ったりして、二人で戯れ合っていると思ったら、突然アクロバチックな光景が観客の目に降りかかってきました。
男性の両肩の上に女性が乗って立ち上がったり。
のほほんと油断して見てたら、ふっとそんなことをするので虚をつかれるなぁ。
今度は男性が、紐でつながれた棒を両手にそれぞれ持って、お椀をふたつ背中合わせにしたようなコマを操り始めました。
中国雑技で女性パフォーマーが常に笑顔でやってるヤツだ。
変幻自在にコマを操る男性の姿に、見る人のワクワクが止まらなくなってきていました。

さて冒頭で設置していた高度のある器具。
そこからフラフープぐらいの大きさの輪っかがぶら下がっています。
女性がその輪につかまり、脇で男性がヒモを引くと、女性はぐいぐい上へ引き上げられていきました。
5mほどの高さ(飛吉氏目測)で止まると、すごい空中アクロバットが始まりました。
スカートの中が丸見えだけど、それはそれでいいんだろう。
うしろ首だけで輪につかまったり、空中でぐるぐるぐるぐるスーパースピンしたり。
地面には薄いマットのようなものは敷かれているけど、落ちたら大ケガ間違いなし。
すごいなぁ。

女性が降りてくると、続いて地上では男性が3つのボールを投げ回し始めました。
自由自在に空中を動き回るボールたち。
ボールをひとつ頭に乗せたまま投げ回したり。
時には足を使ったり、時にはボールを投げながらクルクル回転したり。
ボールを4つに増やし、5つに増やし、難易度とともに華やかさも増していき、
落として失敗してしまってもお客さんの笑いに続けてチビッコたちから「がんばれ~」のかわいい声援が多々聞こえてきて、みんなが一緒になって楽しんでる雰囲気が溢れてきました。
ボール6コを通り越して7コのボールを投げ回し、お客さんの手拍子に応えるように軽々成功。
お~、という歓声に大きな拍手、盛り上がりを見せています。

女性は真っ赤なワンピースとお揃いで履いていた、真っ赤な靴を脱ぎました。
上からこれまた真っ赤な布が、だら~んと垂れ下がっています。
その布に女性が包まれると、ほどなく脱皮して出てきました。
裸足になった女性は上から垂れ下がっている赤い布をよじのぼっていきます。
赤い布を足に巻きつけたり、身体に巻きつけたりしながら、またしても空中アクロバット。
華やかさと危険なハラハラ感と見る人の興奮を、大きな銅鍋で煮込んだような楽しさがありました。

サーカスのようなワクワクな楽しさを、公園の一画、日常という身近で味わえる幸福。
この平和がいつまでも続きますように、そして早く世界平和が訪れますように、と願う飛吉でした。

おわり

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