見出し画像

(2025年2月)みなとみらいでみた大道芸 その2

(つづき)

2月の日曜日の午後3時ごろ、寒さを感じる曇り空ながらも、横浜みなとみらい地区ではショッピングや余暇を楽しむ人々の姿が見受けられました。
グランモール円形広場の階段途中では、小さな子を連れたメガネの若いパパさんが、なぜか右手に火の点いたたいまつを掲げて立っていました。
よく観察してみると、円形広場の中心にはヘッドセットマイクをつけた大道芸人の人がいました。
決して聞き取りにくいわけではないけれど、なんかボソボソとした感じで客寄せトークをしている大道芸人の人。
たいまつを持ったパパさんは、大道芸人の人の依頼により、これから始まる大道芸パフォーマンスの合図として協力していたのでした(ただ立ってるだけではあるけれど)。
少しずつ見物客が増えてきたことで、大道芸人の人はパパさんにバルーンでお礼をすることに。
とても長い赤い風船を膨らませ、お腹に赤ちゃんがいる犬を作り上げてプレゼントしていました。

さて、地面に置かれた黒い袋。
その黒い袋から透明な水晶玉が取り出されました。
大道芸人の人の手に、そして指に、吸い寄せられるように滑らかに動きまわる水晶玉に、お客さんの視線が吸い込まれていくようでした。
と、ここで水晶玉は一時中断。
大道芸人の人は80cmぐらいの長さの棒を持ち出してきました。
まるで巨大な黒い綿棒のように見えました。
その左右の両端に火をつけると、その火のついた巨大な黒い綿棒(注・綿棒ではありません)を左右から順番に別の棒でコンコン弾きはじめました。
まるで見えない糸がついているように、巨大な黒い綿棒(注・綿棒ではありません)は両端から炎を出しながら浮遊してます。
やがてクルクル回り始めて、くるりんぱです。←?
ちょうど座席のようになっている階段には、横へ広がるように前から3列ほどにお客さんが腰を据えて見ていました。
大道芸人の人は再び水晶玉を手にしました。
そして水晶玉を包むように持った両手がゆっくりと開いた時! 
なんと水晶玉が浮いたのです。
びっくり仰天です。
こんなことが起こっていいのでしょうか。
奇跡です。
これはもう現代に蘇ったサイババです。
サイババ・パワーはこっちへ置いておいて、今度は二つのお椀を背中合わせにしたようなコマを使ってのパフォーマンスへ。
お客さんにはチビッコも多く、コマが高く上がるたびに「お~~~っ」の声も大きくなっていきます。
コマははるか高くに打ち上げられ、最後は「おお~~~っ」がとても大きい。
その後も、大道芸人の人は筒を使って8個のサイコロを積み上げたりしながら、周辺に大道芸の空気を充満させていきました。
抑揚があるような無いような滔々(とうとう)とした独特な喋り口調と、その大道芸技術によって、見ている人は現実世界から別世界へと連れて行かれていくような気分になっていました。

さて大道芸人の人は、階段に座り楽しんで見ていたお兄さんに棒の道具を手渡しました。
お兄さんに前へ出てきてもらうと、棒の先端に着火。
突然、お兄さんも大道芸に参加です。
画面を通してみるパフォーマンスとは違い、自分もリアルな参加者となれるのも生で見る大道芸の醍醐味です。
お兄さんに火のついた棒を投げ入れられキャッチすると同時に、大道芸人の人は3本の火のついた棒を投げ回しはじめました。
燃えるジャグリングで次から次へと技が繰り広げられ、集まった観客を魅了していきました。
それで盛り上げた後は、台の上に筒と板を乗せグラグラしたところに乗って、リングやけん玉を使ったバランス芸で多くの拍手を集めていました。
全体にやや広がるように見ているお客さんをほぼ強制的に集めて密集させ、大道芸的な一体感が出るような環境を作ったところで、ゲワイの曲に合わせた小ネタで一息つき(笑)、いよいよ最後の見せ場。
大きな一輪車に乗ってのファイヤージャグリングで歓声、拍手の盛り上がりを維持したまま、その一輪車に乗った状態で、たいまつ、ナイフ、りんごの3つを投げ回した上でのスーパープレイにより人々を大いに沸かせていました。

すごいことをやっているのに、飄々としたトークで独特な雰囲気を作り上げ、集まった観客を大道芸の世界でたっぷりと楽しませてくれたその大道芸人の人は、本人が言うには54歳とのこと。
54歳といえば波平さんと同じ年齢です。
波平さんがお客さんを集めて大道芸をする姿を想像すると、やはりとってもすごいことやってるんだなぁと思いました。

おわり


いいなと思ったら応援しよう!