見出し画像

(2024年11月)上野でみた大道芸(2)

2024年11月の、とある祝日に見たもの。

東京都内はお日様が顔を出して天気は良いものの、時折吹く木枯らしが肌寒さを感じさせます。
今年最後の祝日と重なった土曜日、上野公園へ行きました。
その日の上野公園は、何事かと思うほどの人の数。
だれも彼もが夢中になってスマホに向かっているところをみると、大人気の某位置情報ゲームアプリのようです。
その影響なのか、今日に限ってスマホの通信が途切れまくるな。

文化会館裏手を行くと鮮やかに色付いた銀杏が見られました。
そのまま進行していくと、地面に大きな枠を作るようにロープを置く男性がいました。
そのロープの枠線に沿うように幾人かが腰を下ろして座っています。
柔らかそうに見える白いボールを、腰を下ろした人のうちの一人へ手渡すように軽く投げました。
軽いやり取りの後、男性に促されるまま、最前列に座る人たちは順番に隣の人へとその白いボールを軽く投げ渡していきました。
若い女性も壮年の男性も車椅子の人も小さなお子さんもいて、隣へ隣へとリレーをするようにポンポンと白いボールが投げ渡されていきました。
そして最後はグレイヘアの女性がパフォーマンスの主演となる男性に投げると、なぜかこめかみでキャッチ。
落ち着いた雰囲気で拍手が穏やかにおさまり、木漏れ日が落ちるなかで静かなパフォーマンスがつづきます。

男性は、木製の丸イスに座りました。
膝の上に小ぶりなテーブルサイズほどの板を乗せている。
ひと口、ふた口、カップでなにかを飲んでいました。
シュトロハイムに「飲んどる場合かーーッ」と言われそうです。
男性は座りながら柔らかなボールを投げたりして操っています。
途中、またこめかみでキャッチしてる。
そういえば、お客さんが集まり始めた冒頭でも、同じようにこめかみでボールをキャッチしていました。
こめかみの魔術師?
静かななかでも、こめかみキャッチがちょっとしたアクセントになってるような。
全体的にも派手さはないが、しっとりとした心地よさがあります。
なんだか見ているこちらも、オープンカフェでコーヒーを飲みながら外の景色を見て和やかな気分になっているような錯覚を起こしそうです。
足元に置かれたブリキのバケツ?に順番にボールが落ちて収められていき、最後にカップがゆっくりとテーブルを滑るように落ちて同様に収められていきました。

その後も丸イスに座ったまま3つのボールを投げまわしたり。
目を引くような華やかさではないけれど、つい見入ってしまいます。
やがて男性は立ち上がり、ボールを投げまわしながらゆっくりと後方の公園の木立のなかへと入っていきました。
秋の木々の葉の間からこぼれ落ちてくる日差しのもとでボールを投げまわす姿が、幻想的でもある。
なにか創作物語のワンシーンのようです。
そして定位置に戻り終演。

足元に落ちている葉が秋風で流れるように飛ばされていったり、夏も終わった憩いの秋を感じさせてくれたひと時でした。

おわり

いいなと思ったら応援しよう!