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失敗から学ぶ、素人のウォーハウンドタイタン製作記
ケイオスウォーハウンドタイタン購入
ウォーハンマープレイヤーの皆様なら「タイタン」という単語は一度は聞いたことがあるでしょう。ウォーハンマーの中で最大級に大きいレジンキットであり、帝国(一部混沌)の最終兵器です。
お値段が高く、敷居も高い?と感じる方もいると思いますので、不器用な筆者が、製作の失敗例を踏まえて、製作過程を紹介します。なお、タイタンボディは2024年6月末で79600円でした。
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作成のために用意するもの
1.マジックリン業務用
レジンの剥離剤を落とすために必要です。大容量のを買いましょう
2.クーラーボックス
マジックリンを漬けるために使います。
3.クレンザー
マジックリン洗浄後、剥離剤をさらに落とすために使います。
重曹でもなんとかなる・・かも。
4.排水溝・三角コーナーネット
パーツがどれがどれだかわからなくなるのは心配・・な方は
これらに入れておくとよいでしょう。説明書が分かりづらいので。
5.電動ドリル、ドリルビット
Amazonで4000円程度の有線式ドリルで十分です。
ビットは、とりあえず3ミリ~5ミリ程度そろっていれば大丈夫でしょう
6.針金(軸)及び、金属用カッター(番線カッター)
ハウンドタイタンならアルミ製の3ミリ軸線で十分だと思います。
ニッパーでは針金は切れません!
7.接着剤
7-1 マジックスムース
ガレージキット用の超強力な二液混合型接着剤 今回はこちらを紹介します。
7-2 攪拌棒
マジックスムースの攪拌に必要な攪拌棒です。
7-3 使い捨てゴム手袋
マジックスムースが手につくと、なかなか取れません。
7-4 マジックスムース専用トレイ
100均か、amazonで60円くらいで売っているプラ性のもので大丈夫です。
7-5 クリーニング用シンナー
エアブラシなどを洗浄するシンナーで、用具を洗うために必要です。
※なお、マジックスムースに抵抗がある方は、少し量が少なく高価になりますが、瞬間接着剤「ゴリラグルー」も大丈夫なようです。
7-6 タニタなどの計量機
マジックスムースを1:1で配合するために使います。
8.ハサミ またはノコギリ、ヤスリ
レジンを切断するために、大きなハサミなどがあると便利です。
9.その他
改造などをするためには、ボルト、ワッシャー、ナット、鬼目ナットなどが必要になりますが、今回は割愛します。
開封
開封すると、フォージワールドの袋に入ったタイタンの小分けパーツが
入っています。ランナー番号などはふっていないので、わかりづらいです。
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説明書
こんなに大きなモデルにも関わらず、説明書はずいぶんと安っぽいです。
ハウンドといえど、パーツ探しには戸惑うかもしれません。
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パーツ洗浄
パーツをクーラーボックスに入れ、マジックリン漬けにします。
この時は、別売りの「武器」を一緒に洗ったので、ネットに入れてあります。
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業務用マジックリンを投入します。パーツが全部浸らない場合は
水で薄めても大丈夫です。
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漬けておく時間は、24時間?くらいで大丈夫でしょう。後述するクレンザー洗浄もできれば、もっと短くて大丈夫です。
クレンザー洗浄
クレンザーを使って洗浄します。私は重曹を使ったのですが、
イマイチうまくいきませんでした・・・・
パーツ切り出し
レジンキットの切断用に、大きなハサミがあると便利でしょう。
もちろん、ノコギリなどでも大丈夫です。
切ったあとのレジンランナーは、他の用途にも使えるかもしれないので、
取っておくのも面白いかもしれません。
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研磨
切ったパーツをやすりがけします。私はケイオスハウンドだったので、
あまりやすりがけはしませんでした(なんとなく混沌っぽいから)
部品整理(下半身)
まずは足、足裏、すね、太もも、腰のパーツを全て整理し、並べます。
ピストンなどの小物パーツは、後からつけられるので、避けておきましょう。
これには、少し広いスペースがあると便利です。
立ち姿のイメージ
まずは頭の中で、どういう立ち姿かを想像します。
戦場を進むタイタンなのか、基地で待機するタイタンなのか・・・・
闘うタイタンなのか・・・
まずは、普通に歩いているタイタンのイメージが無難でしょう。
タイタンは「上半身がでかい」ので、下半身のバランスを取るのが重要です。
穴あけ・軸打ちのイメージ
完成写真と、パーツを見ながらイメージしていきます。
きたない絵ですみませんが、
主に、関節に穴を開け、軸を通します。
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下半身全体の軸打ちイメージ
またしてもきたない絵ですみませんが、
腰の部分から下を、イメージ図に書いておくとわかりやすいでしょう。
特に「腰」の部分は、ハウンドといえど「重い」ということを覚えておきましょう。
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穴開け
ドリルは、国産のものでなくとも、有線式の安いもので十分です。
ビットは別売りなので、3~5ミリが入っていればいいでしょう。
写真のビットは12ミリですが、このビット、ものすごくレジンカスが
散らかり、えらい目にあいました。(鬼目ナットを仕込んだため)
ドリルビットはレジン用とは書いてないので、「木工用」と書いてあれば十分です。
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接着剤「マジックスムース」の準備
ここで超強力なマジックスムースの登場です。
ガレージキット界では最強の接着剤です。
手順
①ゴム手袋をはめて開封する
②フタを開け、攪拌棒でまぜる
③プラ皿に盛りつけ、計量器に載せ、配合が1:1になるようにする。
④プラ皿の上で混ぜる
⑤攪拌棒を使って、対象箇所に塗布する
⑥硬化を待つ (平均12時間)
なお、冬季はマジックスムース「そのもの」が固まりやすいので、湯せんするなどしましょう
⑦攪拌棒、皿をシンナーで洗う
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マジックスムース攪拌におすすめな攪拌棒
攪拌棒くらい、なんでもいいやと思うかもしれませんが、
マジックスムースはかなりの粘度があり、生半可な棒では折れてしまいます。おすすめは「モノタロウ」のPTFE攪拌棒です。使いやすく、安価で洗浄も容易です。
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軸打ちと接着
ドリルで開けた穴に、針金をサイズに合わせて切断、軸打ちし、針金部分と切断した周囲にマジックスムースを付け、足を「太もも」あたりまで組み立てていきます。アルミ針金なら、多少曲がるので、微調整が可能です。
曲がってこまる方は、ステンレス棒もありますが、切断が難しいです。
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失敗事例
ここで失敗事例です。私はいろいろなアドバイスで、「ハウンドクラスなら、ゴリラグルー1本あれば大丈夫でしょう」という言葉を信じて、この、ゴリラグルーより強いマジックスムースなら、もっと大丈夫だろう!と過大評価してしまいました。
その結果、
①関節が耐えられず、マジックスムースがついた状態で穴あけし、
同時に軸打ちをするはめに
②腰の重さで足が変な方向に曲がってしまう
③手や用具がマジックスムースまみれになり、シンナーを大量に使う
④タイタンがベタベタになる(まあケイオスなのでここは気にしない)
という悲惨な作業となってしまいました。
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なんとか、下半身を支えましたが、ここで力尽きてしまいました。
朝になったら、下半身が変な恰好になって完全に固まってしまいました。
ああ、なんということだ。
タイタン部にみせたところ「躍動感のあるポーズですね!」とお褒めいただいたが、そうじゃないんです・・・
この失敗を防ぐには
①まずは、太ももまでを組み、マジックスムース硬化まで待つ
②腰は、後からでもいい。
③一度用意したマジックスムースを片づけるのが面倒かもしれないが、
根気よく何度も用意するか、ゴリラグルーを使う
上半身の組み立て
下半身が固まるまでの間、並行して上半身を組み立てることができます。
上半身をみると、コクピットを見ることができます。
なお、開閉するわけでもなく、塗装してもみることができないので、
基本、内装は無視していいです。
内装をなくしていいから、もっと安くできなかったのかと・・
上半身は接着面が広いため、軸打ちは要りませんでした。
(あったほうがよいとは思いますが)
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上半身の載荷
ここで上半身を載せます。
ここで私がまた失敗してしまったのは、下半身のマジックスムースが
まだ硬化していないのに載荷してしまったため、ずぶずぶと沈む・・・
ちゃんと下半身が硬化してから載せましょう。
なお、上半身と下半身の間の軸打ちはしませんでした。
また、足の指が取れているのが見えますが
これは国産の「ウルトラボンド多用途」(コニシ)を使ったためです。
このモンスターガレージキットの前には、国産接着剤では
太刀打ちできないのがわかりました。
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おわりに
今回は上半身までを、失敗談を踏まえてお送りしました。
タイタンが普通にストアやカフェで買えるようになったのですが、
まだまだ組み立ての情報が少なかったり、情報が錯綜したり
人によって違ったり、技量の差など、暗黙知が形式知として
知られていないのが現状です。
これよりもっといいやり方があるとは思いますが
まずは失敗事例とその対策として、紹介しました。
次回は 改造をしていきますので、そこらへんを紹介したいと思います。
おわり