令和4年度 技術士総合技術監理部門 記述問題予想
技術士総合技術監理部門記述式では、5つの管理と、その相互に発生するトレードオフと、その全体最適化が求められる、時間が足りない厳しい問題です。
拙い予想ですがご容赦ください。
出題予想
【気候変動への対応】
2022より、「TCFD」(気候関連財務情報開示タスクフォース)が総監キーワードに追加されました。
なんとこれをよく見てみると、
気候(社会環境管理)と
財務(経済性管理)と
リスク管理(安全管理)がセットになったキーワードです。
これに伴う社員教育(人的資源管理)、消費者、投資家とのコミュニケーション等(情報管理)
で、5つの管理が揃います。製造業を始め、様々な業種の目線でも書かれており、かつ20部門全てに対応しているところもポイントです。
TCFDの流れ
①事業者が気候変動へのリスクを策定、管理する
②その対応策を明らかにし、
気候変動にどのように対応するか
また、財務上の影響を
具体的に記載
③金融機関、投資家へ開示
気候変動に関心を持つ投資家の新規獲得
④投資家からのESG投資の獲得
⑤事業の継続
要求項目
①ガバナンス
取締役会でいかに、どのような頻度で気候関連の課題に触れているか
気候関連に対応した組織構造となっているか
(人的資源管理)
経営者がどのように情報を受けているか、そのプロセス(情報管理)
②戦略
短期、中期、長期のリスクと機会
具体的にどのように財務影響を及ぼすか?
(経済性管理)
リスク特定のプロセス
(安全管理)
③リスク管理
気候関連リスクの識別・評価・管理方法
気候関連リスクをどのように緩和・移転・受容・管理するか など(安全管理)
④指標と目標
管理指標の設定(経済性管理)
指標の見える化(情報管理)
指標の報酬への反映(人的資源管理)
開示するリスク
①政策によるGHG排出規制の強化対策
②既存技術の低炭素技術への入れ替えに伴う
投資失敗、研究失敗による損失
③消費者行動の変化
④原材料コスト上昇
⑤業種への評判 などです。
トレードオフ
トレードオフとして
①感染症(安全管理)による、
消費者の経済悪化により
短期的な目標が優先となり、
気候対応という不確定要素の高い投資が得られない。
消費者、中小企業向けへも、気候変動リスクは身近で、他人事ではないことを情報発信
②感染症(安全管理)による使い捨て製品(プラスチック容器)消費加速により、新規の研究よりも目先のサプライチェーン優先。
当面の間は既存技術(バイオマスプラスチックなど)の活用など、できることから取り組む
③競合他社によるフェイクニュース(情報管理)による損失
SNSなどで嘘情報、デマなどによる顧客離れに対しては、フェイクニュースを引用し、個別に論破する必要があります。そのための情報収集ツール(SNSやWEBから個別単語を自動的に、いち早く抽出するRPAなど)の活用
④組織内の個人の目標管理、評価が難しい
(人的資源管理)
社内の誰がどんな役割でどの程度貢献したか
明確にし、目標管理、報酬に反映させる必要があります。
以上、ざっくりではありますが予想しました。
最後の問題(解答用紙5枚目)となる、将来像については皆さまの組織で異なるのでイメージを描いてみてください。
また、もし違うテーマで出題されても、何かしら応用できると思います。
拙い予想を最後までご覧いただきありがとうございました。
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