シェアハウス・ロック(or日録)0225

「毎日ことば」2月20日版

 表題の「毎日ことば」は、毎日新聞一面の右下、下八のすぐ上に掲載されているもので、言葉にまつわるクイズである。
「毎日ことば」には3タイプある。漢字が書かれていて「これ読めますか?」というもの、短文のなかの「間違い」を探すもの、そして比較的新しい言葉や表現に関する定着度を調べたものである。
 2月20日の出題は一番目のタイプで、「終の栖」だった。
 これは簡単。小林一茶の句「これがまあ終の栖か雪五尺」を知っていれば難なく読める。私は「これ読めますか?」は、95%くらいは読める。
 一方、「間違い探し」は、わからないことがけっこうある。
 最近の「間違い探し」で、鹿島という市名にまつわるものがあった。短文のストーリーを忘れてしまったので、ちょっと創作すると、

 鹿島神宮のある鹿島市では、市政100年を記念した鹿島祭りを開催するにあたって、駐車場の確保が困難なことが予想されるため、訪れる観光客に対し、公共交通機関を使うことを呼び掛けている。

といった感じ。ストーリーは全然違うが、題意は損ねていない。ああ、市政100年は口からでまかせね。もしあたっていても、偶然の一致だ。鹿島祭りも、そんなものあるかどうかすら知らない。
 これの間違いは「鹿島市」である。鹿島神宮のあるのは「鹿嶋市」であって、「鹿島市」ではない。鹿島市は佐賀県の西南部の市である。佐賀県は、エイが泳いでいるような形をしているが、その尻尾のほうに「鹿島市」はある。
 ここからはちょっと自信がないが、鹿島神宮のあるあたりが市町村合併で「鹿島市」を名乗ろうとしたが、すでに佐賀県にあったので、「鹿嶋市」にせざるを得なかったということらしい。
 そんなこと、鹿嶋市民だって知らない人がたくさんいるに違いない。割合、こんな問題が多い。
 最後のタイプの問題では、比較的最近、「エモい」が挙げられていた。「エモーショナル」の形容詞形(笑)。これに抵抗のある人が、30%くらいだったかな。私はその30%に入る。私は、よく『シェアハウス・ロック』で、「造語をした」とか、言葉を発明したとか言っているが、それは冗談であり、どっちかと言えば、言葉に関してだけは保守的なほうだと思う。「ら」抜き言葉は絶対に使わないし、言葉を省略することもあまりしない。たまにヘンな言葉遣いをすることがあるが、それは生まれ育った場末の言葉も含め、だいたいが方言である。
 ところで、「毎日ことば」は「回答は本誌のどこかに掲載」である。初めに問題を読んでいると、回答を探すのが容易になり(というか、自然に見つかることが多い)、そうでないとなかなか見つからないことが多い。これは、なにか〇〇効果みたいなことがあるのだろうか。心理学かなんかで、この〇〇効果は言われているような気がするが、浅学にして、そういうことを読んだことはない。
【追記】
 本日の「毎日ことば」は「梅東風」だった。これも、「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」(菅原道真)を知っていれば簡単。だが、「春をわするな」も見たことがあるし、「吹かば」を「深場」としたのも見たことがある。みんな写本に拠ったんでいろんなのがあるんだろうな。
 また、「うめこち」なのか、「うめごち」なのかでも迷った。正解は「ごち」だったが、これは「こち」でもいいような気がする。いわゆる連濁はなかなか深いものがあるので、いずれ。
 もうひとつ、風は、特に漁師言葉で「クロバエ」等々、いろんな呼び方があるので、そのうち、良書を発見して調べてみたい。

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