不動産市場の歪みを期待!?
皆さんはご存じでしょうか?
2016年(平成28年)時点で、日本全国の宅地、農地、林地など、所有者が「不明」である土地面積は・・・
約410万ha(おおよそ九州の土地地面積以上)!
※一般財団法人国土計画協会により以下抜粋
そして、2040年までに予想される所有者不明の土地は・・・
何と720万ha!(おおよそ北海道の土地面積)の広さとなります!
ご存じの通り、日本は少子高齢化により日々大量の高齢者による死亡が発生しており、孤独死等における相続人不明、または相続放棄などが原因で、所有者不明な土地も日々発生しています。
そして、相続人が明確であっても、相続した土地は登記をする義務がない為、所有者不明の土地が増加する原因でもありました。
では、所有者不明の土地が与える日本の経済損失額はどれ程なのか、それを表した表が下記となります。
この6兆円という損失額を少しでも減らす為に、法律が改正され令和6年4月1日より施行されます。
それは「相続登記の義務化」!
読んで字のごとくですが、実は、土地や建物の登記(所有者覧を除く表題登記や表題登記の変更、滅失登記)については登記を行う義務があり(表題登記の変更は1カ月以内に申請しなければなりません)、権利部(甲区、乙区)に関する登記(相続登記含む)に登記義務は無く、権利部に登記をしなくても特に罰則もありませんでした。
登記するのに費用もかかるので「相続登記をしない」を選択する人は今も多く存在しているようです。
とはいえ、今後「相続登記」が義務化されることにより、以下の罰則が設けられます。
罰則1:相続で不動産取得を知った日から3年以内に正当な理由がなく登記・名義変更手続きをしないと10万円以下の過料
罰則2:所有者住所変更した場合も不動産登記が義務化され、2年以内に正当な理由がなく手続きをしなければ5万円以下の過料
これらの罰則を受けない為には、相続した「宅地、自宅、共同住宅」などの不動産の名義を相続人に変更する名義変更登記の手続きが必要になるので、結果敵には所有者不明の土地が減る、ということが期待されています。
仮にこれらの罰則を支払わなければとうなるのか。
実は「表題登記は義務」との話をさせて頂きましたが、登記しなくとも実際に過料の制裁を受けた、という人は稀で、今後義務を怠った場合の処置が問題、との声が上がっている状況なので、まだまだ問題はやまずみのようです。
ちなみに、印紙税を払わない場合は3倍の追徴課税が課されますが、相続登記はどうなることやら、ですね。
いずれにしても、相続登記が義務化されれば、今まで支払う必要のなかった固都税の納税もしなければならないので、不動産の売却物件が世を賑わすことになるかもしれません。
その時に、不動産市場に歪みが発生すれば、好条件で収益不動産を取得することもできる可能性も高いと思いますが、優良物件は川上で処理されてしまいますので、これまたどうなることやら、ですね。
相続登記の義務化が自分に当てはまっている~、という人は前もってお手続きを!