その四

その四

東京駅に新幹線が到着して
正直行く所が無く困っていたんだ。
横浜へ戻ればポン中生活に再びなると
感じて足は千葉県の知らない土地へ
旅だっていた。とりあえず職業安定所へ
行くと寮つきの塗装屋を探していた。
なんと一件だけヒットして
これから社長が面接して会ってくれる
約束までたどり着いた。
事務所にたどり着くと汚い爺さんが
座ってペンキの下げ壺の塗膜を一人で
剥いていた。まさかと思ったが
「社長さんいらっしいますか?」と声かけると私の顔を見上げて「オレが社長だよ」と言われ正直驚いたんだ。この汚い爺さんが社長なんだと思っていると中へ通された。ソファに腰をかけて自分の名前を言い挨拶すると社長は自分の容姿にルイヴィトンのボストンバック一つの姿を見ると事務員の姉さんに「風呂に飯、布団を用意せい」と言ってくれて煙草に火をつけて煙を深く吸って深く吐いた。
何も言わないで察してくれた社長に感謝していた。ありがたく飯を食べて風呂に入り新しい布団が敷いてあり、ぐったり横になって休んだつもりが、眠りについた。
窓の外が朝やけでゆっくり起きる事が出来たのが久しぶりでとりあえず一服した。缶コーヒーを自販機に買いに事務所へ行った。真ん中の、ソファに不良が座っていてお互い目を合わす事なく自分もソファに座りコーヒーを飲みながら
一服していると社長が「おはよう」と事務所に入ってきた。次々と人間が集まり自分は挨拶して、宜しく頼みます、と皆の顔ぶりを拝んだんだ。後々わかった事で現役の不良が二名おり、社長が親分をよく知っていて顔が広かった。
その日から塗装現場へ向かい普通に仕事を始めてその日はなんなりと終わり帰りの車で仲良くなったのがMさんだった。
寮で説明してくれたりした優しい爺さんだった。次の日も次の日も現場で働いていく自分がジャブを使わず仕事をしていた。一カ月程たち仕事をしている社長の背中を見ながら感謝して働いていた。
社長、頭の切れる人で同じ類の会社を経営している自分から見たらリスペクトであります。元々役人で歩く民法と言われる方である。仕事に切磋琢磨していると
ある現場で地元の不良に出会った。
後の親友となるT氏だが体重が200kg
手前ぐらいの巨体で肝のすわる人間であった。お付き合いしている姐さんも美人である。タイ料理が好きでよく店に出向いたんだ。車の助手席にT氏が座ると
車が傾いてしまい右側に荷物を積んで
平衡感覚を保っていた。その時自分の車、クラウンアスリートだが、ある日中
T氏とちょいぷらしていると急に「あそこの饅頭屋ちょっと寄って下さい」と言うものだから甘いの好きだからな、と思いながら饅頭屋の前に車を止めた。T氏が「ちょっと待ってて」と饅頭屋に入っていった。すると急に軽トラがバックで自分の車に突っ込んできた。このやろう、と降りていき説教しようとすると
T氏が饅頭を食いながら出てきて、
「大丈夫ですか、あ〜あ」と笑みを浮かべていた。完全に止まっていた自分の車に
突っ込んできたから間違いないだろう、
と通報していて警察が来て事故ですね、
怪我は無かったですか、ま〜生きているんで、と大した事ないんでね、大丈夫。
しかし自分の車は痛々しくべっこりいっていて軽トラのおっさんの保険で
やってもらう話しになった。
その後何とか自走して車屋に行った。
車屋のおっさんが出てきて
こりゃひどい。自分も悲しみの反面当たりましておめでとう、だろおっさんよ、とか思いながら代車でT氏と帰っていった。帰り道、T氏が絵を描いた事を知り
何か言うだろ、普通。と笑みを浮かべて帰りっていった。T氏は昔から走る保険屋と言われ日常車で走っていて今ここであの車が止まったら9対1でいくらだ、
とか計算しながら走っているつわものだった。おかげさまでホイールまで新品で
色々と新しいなって車屋からアスリートが帰ってきた。まるで新車の様だった。
そんな付き合いをしていながら社長の元汗を流して働いていた。住宅の塗り替えを主に仕事をする中T君という若い者がいた。たまたま現場が一緒でシンナーを吸った事がないと聞き驚きシンナーが入った一斗缶の天を切りT君の頭を押さえて一斗缶に突っ込んだ。30秒程して
頭を上げるとT君は「何がですか〜」と
しっかりラリっていた。よし、と思い昼から仕事が始まった。一から塗装を教えたT君だが今となれば材料屋の机で仕事をしていると出世頭になっていた。あいつは自分に感謝しているのか、たまに
思っていた。かわいい歯医者の嫁さんに
子供、新居にレクサスという確率した家庭を自分は嬉しく思えた。社長の元を離れて塗装屋を応援で転々としていたある夜、M保という女性と出会った。
始めはカラオケを歌いながら話していた。普通にかわいく見えてそれなりだった。聞けば歌舞伎町の飲み屋というかキャバクラにいてかなり稼いだのか少し腹が出ていてブランドものを多数持っていた。それからジャブでおかしくなり、
メンタルがやられて「今じゃ生活保護だよ〜」と微笑んでいた。カラオケの帰りにM保のうちに寄りカビくさい20畳程の薄暗い部屋にうなずいた。ジャブの後は必ずという程メンタルをやられて
このパターンに落ち着くのだった。

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