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星の大地に降る涙/春馬さんがおしえてくれたこと


三浦春馬19才、初舞台・初主演、ここから華開いていく


公演日程
東京 2009年6月20 日~7月26日 赤坂ACTシアター 45公演
札幌 2009年7月30日~8月3日 道新ホール 7公演
大阪 2009年8月7日~8月17日 梅田芸術劇場 15公演

DVD発売 2010.1.7


演劇ユニット「地球ゴージャス」(1994年、岸谷五朗、寺脇康文により結成)の10作品目。
初の歴史ファンタジーで、物語の舞台は、理想を求める国の戦の中で、たくさんの血と涙が大地を濡らした時代。戦いにやぶれて記憶をなくした青年(シャチ役:三浦春馬)が、流れついた島で出会ったのは名もなき民と、神の子を宿した女性だった。(2009.3.17 マイナビニュースより)




水を得た魚のように「板の上」で舞う若武者



(6分42秒)


戦いの場面から一転して、ステラが「星の大地」の再生をかけて、神の子を産むところがこの動画の後半です。せりふを拾ってみます。

シャチ「しっかり、ステラ。大丈夫?」
ステラ「ごめんね、シャチ。私のせいで」
シャチ「だいじょうぶだよ。僕がついているから安心して」
ステラ「ありがとう。あなたは不思議、いろんな顔を見せてくれる。春の陽だまりのようにやさしいあなた。するどい刃物のようなあなた。まるで子供のようなあなた。でも心配しないで。全部がシャチなんだから」

シャチ「君はひとつだ。君は太陽だ。太陽の光で、タバラ(部族の名前)の行き先を照らす。ぬくもりで包む、体も心も」
ステラ「私は太陽?」
シャチ「君がずっとまぶしかった」
ステラ「あー!痛い」
シャチ「がんばってステラ」
ステラ「うん。そばにいて、シャチ」
シャチ「もちろんだよ。僕を見て、僕の目を見て。何もこわくないよ」

シャチ「産まれる、ステラ。がんばれ。太陽の子がこの地に誕生したがっている」

シャチ「産まれた!やったやった、ステラ。産まれたよ。君の子だ。産まれたー!よく頑張ったね」
ステラ「ありがとう、シャチ」
シャチ「みんなを止めなくちゃ!僕たちは共存できるんだ。僕も行ってくる、星の大地へ」





・ブログより

1.note はるよこ 2023.2.11「初舞台『星の大地に降る涙』を観に行った!」
「クラウディア」につづく反戦をテーマにした第2弾の主役をできたことはよかったね/何かを訴えるためのエンターテイメントの世界をとても大切に想っていた/舞台での華が半端なくあふれているし、舞台にとても似合っている!と確信した

2.ameblog「これ観た」2022.9.7 (DVD視聴)
三浦春馬(19才)は、これが初舞台だったそうで、そのわりにしっかり芝居ができていて良かった。歌唱も努力のたまものだろう/あらためて、三浦春馬は舞台向きの俳優だったように思った


3.blog.goo 「もるるんのよくばりポケット」2009.7.3
すごいとおもったのが三浦春馬くん。体が軽くて、運動神経もいいから、殺陣がシャープでキレがあった。セリフ回しも上手。最後のシーンはほんとに泣けましたね。気持ちの入ったすばらしい演技をしていました/歌、高音はがんばれー!だったけれど低~中音の伸びがありいい声


4.exblog.jp 「サチゾー計画」2009.7.5
初舞台は果たして?とおもったけれど、発声もよく、19才とは思えない貫禄がありました。殺陣(たて)もダンスもキレがあり、習得したであろうバック転も披露/高音がきれいで、歌も結構上手でした


5.blog 「生きててよかった。」2009.7.22 (共演の音尾琢真さんのファン)
歌もダンスも芝居も全部よかった。何よりパッと目をひく華やかさ
勢いでどーんとくるので、こちらもどーんと受け入れられてしまう。悩める青年役がうまい。きょとん顔もかわいい

6.blog「嵐は力なり」2009.7.22
三浦春馬くんが非常によかった。特に歌はよかったな~。ふわふわしていないし、きちんと伝わるし…この伝わるってすごい重要。グッグと引き込まれる/殺陣もホントにキレイで無駄がなくて、不安がない…そう!見てて不安がないんです!…恐るべし三浦春馬!!




・舞台評

地球ゴージャスの舞台『星の大地に降る涙』にでた三浦春馬はすごかった。動きのキレが抜群によくて、長い手足を空を斬るようにすばやく動かす姿は、演劇の魔物が取り憑いているかのようだった。
-誰にも代えがたい三浦春馬のショウ・マスト・ゴー・オンが止まってしまったことを惜しむーより

2020.7.20 木俣冬 「news.nicovideo.jp」




・インタビュー



2020.1.5 「CREA」 昔から舞台やミュージカルを見るのが大好きでした。なかでも16才(注:中3との発言もあり)の時に観た、地球ゴージャスの『クラウディア』で、生のお芝居の迫力に魅了されたんです。

2011.11.15 「ローソンチケット」(初舞台本番中に剣を落とした)
最高のものを見せたいという気持ちが強かったから、その失敗が本当に悔しくて。自分が許せなくて、カーテンコールで悔し泣きしたことがありました。自分にもこういう熱い気持ちがあるということに気付かせてくれたのが、地球ゴージャスの舞台。

2009.7.22 「婦人公論」No.1277 (稽古の真っ最中)何年も夢見ていた舞台なので、僕なりに精一杯頑張りたいと思っています。これまでは誰かの舞台を観て拍手をする側だったので、終演後、お客さんに拍手していただくのがとても楽しみです。



写真集『Switch』より(19才)


ー与えられる課題ー
① 「存在感」が第一の難関
 オープニングはひとりで舞台に出て、刀を振るいながら台詞を言うんです。そこで存在感と威圧感が足りないから迫力がないと言われて。

② 表情や細かい動きにフォーカスする映像と、全体が常に見えている舞台では動き方がまったく違う。
 ソロダンスが終わった直後に、聖母のような女性ステラと台詞を交わすシーン。気持ちはできていても、動きが伴わない。動きに意識がいくと、台詞に気持ちが入らない。

指先から衣装の隅々にまで思いを込めて、華麗に舞い、豪快に刀をふるう。コミカルな群舞もこなせば、淡い恋心をロマンティックに歌い上げ、最後には、戦いに失望し嘆く若者の慟哭を全身全霊で表現する。

シャチになりきった三浦春馬は、これまで数多く演じてきた繊細な少年のイメージからは想像もできないほどに、多彩な魅力を発揮し、幅広い芸域の可能性を感じさせる。それにしても、舞台の話をするときのなんと楽しそうなことか!
この歓喜にみちた経験が、彼自身をかえたというのも、じつに納得できる。


 自分自身は、細かいことはぜんぜん気付いていないんです。ただ、いちばんの収穫だったのは、エンターテイナーとしての自分の在り方というか…。
実感がなかったんです。
でも、今回お客さんとすごく近い距離の舞台を経験して、学んだんですよ。目の前で人が笑ったり、感動したりしてる。僕たちは芝居をして、感動や元気を届けられるすばらしい仕事をしているんだということが、肌で確認できたんです。



星の大地に降る涙/EXIL「愛すべき未来へ」

主題歌(4分48秒)


シャチ「泣いている。太陽が泣いている。なぜムダな殺し合いをするのかと嘆いている。気づいてくれー!!このままではいつか、いつの日か大きな痛手を負うことになるぞ、日本国よ!」
「みんな、いなくなってしまった」

ステラ「大丈夫、大丈夫よシャチ。言ったでしょ。私たちは考えることができる動物だって。だから信じましょ。この子たちとともに、自分たちを。人類を」

シャチ「信じる?こんな俺たちをか!」
ステラ「家族を作るのです。国を作ろうとしてはいけない。おおきな家族を作ればいいの。そのとき世界は共存する」

シャチ家族を作る…、未来を作る。俺たちがこの子たちのために」







周囲の声

島口哲朗さん[SAMURAI ARTIST] 2019.7.19 Twitter
 初舞台とは思えないTalentでした。劔(つるぎ)の手解きをできた幸せ。いつかガチで交えたい存在です。

大泉洋さん 2009.6.2「CUE DIARY」
 三浦春馬くんがカッコイイ。彼はスターだね。ひとを惹きつけますね。表情ひとつとっても素晴らしい。切ない顔するんだなあ。あれは稽古や努力で身に着けるもんじゃない気がする。スターだね、彼は。

西垣吉春監督『森の学校』 2020.11.21 丹波新聞
 (12才主演)撮影をとおして、この子はきっと将来スターになるだろうと思い、今後は舞台などをしてじっくり育ってほしいとおもった。
「名子役、大スターなし」のジンクスを破ったのは、実力にくわえて、彼の素直な性格によるものだろう。


ーパンフレットのことばー

岸谷五朗さん
 俺も特別な逸材になるなと感じています。19才という年齢であれだけのものをもっているヤツは、ちょっといないですね。もちろんまだ、舞台の技術はないです。できません。初めてなんだからできるわけないんです。でも、みるみるうちに吸収していく。ほんとにスポンジですよ。

 あと、できないことを自覚することができる。で、できないことが悔しくて、できるようにと努力ができる。あいつ、千秋楽までの間にめちゃくちゃ変わるはずですよ。たぶん一生変わっていくんだろうなあ。俳優としてのセンスも素晴らしいものをもってると思いますしね。いやあ、楽しみなヤツですね。

寺脇康文さん
 三浦春馬も、すでに人を引き付けるものをもっている男だと思います。初舞台なので、舞台演技の技術的なことはまだまだこれからですけど、感性や芝居に対する真摯な想いっていうのは、もう満点です。

音楽・歌唱指導のかた
 春馬くんは、隠れた才能がどんどん出てきますね。やればやるほど音域が広がっていきますし、のみ込みが早い。声帯の質もいいんです。やさしくて甘くて。

振付・殺陣の方たち
 春馬くんはすごいと思う。速いですね、上達するのが。運動神経がいいんだと思います。バック転もすぐにできるようになったし。才能の塊ですね。
激しい稽古をしても、春馬くんは息切れひとつしていない。そういう意味では、若さって素晴らしいとおもいますね(笑)。

吸収力もやっぱりすごいですよ。はじめ、岸谷さんも心配されていたんです。舞台も初めて、殺陣も初めてだからって。それで、ゴージャスの稽古がはじまるまでになんとか基本ができるようにと、忙しいなか、うちのスタジオに通ってくれたんですけど。やっぱり上達が速かったですし、何より、すごく素直なのが素晴らしかったですね。普通、ある程度できるようになると、自分なりの違う方向に走り出したりするんですけど、かれはただひたすら基本に忠実にやってくれていたので。まったく心配ないですね。

(拝見しているブロガーさんへ。貴重な資料をつかわせていただきました。ありがとうございます)




おわりに


初舞台に対しての評価はおおきいものであったことがうかがい知れました。

しかしこの時点で、すでに芝居のキャリアはありました。なかでも時代劇のものをあげてみます。
10才:「宮本武蔵」(上川隆也主演)養子の伊織役
   「藤沢周平の人情しぐれ町」(永島敏行)息子の長太役
12才:大河ドラマ「武蔵ーMUSASHI-」(市川新之助主演)城太郎役
13才:「水戸黄門」第32部第3話 柿田七之助役
16才:大河ドラマ「功名が辻」(上川隆也、仲間由紀恵)湘南(拾)役

また13才のころに観て、ずっと好きな作品として『壬生(みぶ)義士伝』(中井貴一主演)をあげています。

このようにベテランの役者さんのなかで、才能の芽は育っていたのでしょう。
特に「武蔵ーMUSASHI-」の市川新之助さん(当時)とは、6話から20話(全49話中)の長丁場で共演するなかで、あの目力も学んでいき、それがシャチの迫力ある表情や殺陣に生かされているように思えてなりません。
(少年期の代表作ともいえる『武蔵-MUSASHI-』は2023年、実に20年の時をへてソフト化されました)

初舞台を経験して、芝居の面白さはもちろんのこと、舞台と観客の間でかわされる醍醐味を心のそこから感じ取った、若き三浦春馬さんでした。
そして、わたしがファンになって以来、最もすきなのが、このシャチを演じている春馬さんです。

ここから、いよいよ目にもとまらぬ、息をもつかせぬ快進撃がはじまります。




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