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#8 自分の街の写真を撮って残すということ

最近、自分の住む街をもっと知りたいなと思って図書館で町の風土記なんかを調べていたりする。そういった本には、昔の人が何の気なしに撮ったような風景の写真や家族写真なんかが載っていたりする。おそらく、撮影した当時はその写真が何十年も残り、本に載るなんて思いもしなかっただろうと思う。

そういった写真を撮ってくれた人のおかげで、昔の町や人々の様子を知ることができるわけだ。ということは、今僕が散歩がてらに撮っている町の風景や家族の写真も、何十年後には貴重な資料になっていたりするのかしらなんて思っていたりする。

変わっていく今を撮り重ねて、その時の人の想いを記録していくのはとても尊い行為だなと思う。そんな写真を撮りたい。

 僕はよくこのあたりの道を娘と散歩するのだが、こうした風景も風土そのものなのだろうか。僕にとってはなんでもない日常だが、数十年後の誰かから見たらレトロで未知の世界なのかもしれない。

会ったこともない誰かと、写真を通して数十年後に知り合えるというのはとっても素敵だ。

いつかこの町の風景も、変わってしまう。
近くに高速道路が通ったり、その割には子どもが減っていたり、いろんな変化の兆しはもう既にある。気付かないうちに、ゆっくりと変わっていっている。

今日あったものが明日もあるとは限らない。一つ一つの出会いを大切にしながら、そっと残していくように写真を撮る。

風景写真もポートレートも、広告写真や物撮りでさえ「今を残す」行為なのではないかしらと最近感じてる。その中でも特に、自分の町のスナップを残しておくというのは、文化的に価値のあることなのかもしれない。

「令和のいなべ」なんて書籍がいつか出るなら、僕の写真を使っていただきたいものだなぁ。



三重県いなべ市で小さなデザイン事務所「スタジオビーモ」をやっています。今は写真撮影を中心にお仕事をいただきながら、コツコツデザインを作ってます。よかったらWEBサイトもご覧ください。




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