レッスン開講前に考えること:Beforeその2
昨日はレッスンを考えるにあたっての3つのポイントのうち、Beforeについて考えてみました。
このBeforeですが、なぜ考えておかないといけないのでしょうか。
別に初心者誰でも参加OKだし、わざわざ考えなくてもいいのに、と思われたかもしれません。
ではここで、目玉焼きハンバーグを作る料理教室に、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人の生徒さんが集まったと仮定してみましょう。
Aさん:殻入りぐちゃぐちゃ目玉焼きの名人
Bさん〜Dさん:きれいにパカっと卵を割れる料理初心者
この調理実習では、AさんとBさんがペア、CさんとDさんがペア、として進めるとします。
実習を始めると案の定、Aさんは包丁の握り方から危ない危ない。
講師であるあなたは、始終Aさんにつきっきりで手取り足取りということになりませんでしょうか。
この場合この4名の参加者それぞれの参加体験はどうでしょうか。満足度の高い調理実習だったと思えるでしょうか?
Aさん:手取り足取り丁寧に教えてもらえたわ!となるかもしれません。
Bさん:Aさんが作った目玉焼きは結局ぐちゃぐちゃになったし、包丁持ったままフライパン覗きにくるから危ない危ない。刺されるかと思ったわ💦しかもとにかく時間かかったし。てんやわんやで結局ハンバーグ焦げちゃったし。。残念。
CさんとDさん:先生はAさんばかりを見ていて、私たちのことはほったらかしよね。これならYoutubeの動画見ながら作っても同じだったわ。
となったりはしないでしょうか。(まぁ、極端な例ですがね)
つまり、特にグループレッスンでは、参加者個々人のレベルに差がありすぎる場合は少し気をつけなければなりません。
ではどうしましょうか。3つのアプローチを考えてみましょう。
一つは、参加者のレベルを揃えることです。だいたい同じレベルくらいの人同士で参加してもらうわけです。しかし、学校や塾みたいに試験をしてクラス分け、というわけにはいかないでしょうし、実際のレッスンではあまり現実的ではないかもしれませんね。
2つ目は、同じくレベルを揃える、な訳ですが揃え方です。
テストや経験を踏まえてセレクションするのではなく、スキルが不足しているところを事前に補って揃える、という事前学習になります。
例えば、卵は平らな場所でまずヒビを入れます。というようなインプットを事前にしておくわけです。
スキル不足はチェックリストを配っておくと、参加者はどのスキルが不足しているか自分で確認することができます。
事前学習は、動画でやるのかプリント配布なのかは、ここで話すと長くなるのでまた別記事になりますが、とにかくどうにかして、レッスンスタート時の凹を埋め合わせる、というアプローチです。
3つ目は、補助道具の活用です。
事前に読んでおいてね、という事前学習は参加者が自主的にやってくるとは限らないので、結局3つ目のアプローチが一番現実的です。
このAさんに講師であるあなたがつきっきりになる代わりに、補助の先生を当てがうとか、何かスキルを補う補助道具を使わせるとか、つまづきそうなポイントで見ながら動作できる図表入りの資料を傍に置かせる、などです。
たとえばニンニクのみじん切りがうまくできない場合、ニンニク潰しを使っていいよ、として道具を調理台に用意しておくわけです。もしくは、予めみじん切りになったニンニクを用意してしまいます。
ただし、そのレッスンでニンニクのみじん切りができるようになることが学習ゴールに入っているならばこのプローチは使えません。
そうではなくて、香味としてみじん切りのにんにくが必要ならば道具か予めみじん切りにして用意しておくで良いでしょう。何ならこのにんにく潰しを買っていただき、今後も愛用していただきましょう。
今日は、グループレッスンにおけるBefore(レッスンの前提条件)について考えてみました。