漢字学習 音読みの漢字を学び直そう 第2回 「委・意・以」
小学生の漢字テストで正答率が30%程度と低いのは「同音異義語」です。正答したとしても意味を知って使い分けているかというと疑わしい有様です。
常日頃から強調しているのは、
「音読みしかない漢字は必ず意味を調べてから書く」
です。
しかし、実行しているご家庭は少ないようです。「手っ取り早く覚える、ただ手を動かして書く」ことは、自力をつける学習にはなりません。(学校の勉強の延長では力がつかない)
サピックスのAテキストや、四谷大塚の漢字と言葉には、意味が載っています。少し時間をかけて漢字一つずつを見て発見やら工夫をしてほしい。それが問題を解くときの力になります。
「問題となっている漢字を書いて早く終わらせてしまう」
ような手っ取り早い勉強は、定着しません。
ここでは、「音読み」しかない漢字を中心に見ていきます。
「委」
小学生になじみがある漢字熟語は、「学級委員」だろうと思います。「委任」
委
には音読みの「イ」しかありません。小学校では「委員会」「委任」のような熟語で出題されます。
辞書で調べる前に、熟語の組み立てから意味を考えてみます。これが応用力です。
「委任」から、「任は「まかす・まかせる」の訓読みがあります。
熟語の組み立てを考えると「まかせる、ゆだねる」の意味だろうと推測できます。
熟語の組み立てを考える基本は、まず、ほぼ同じ意味の漢字でできた熟語でないかと考えてみることです。
調整。生産。温暖。究極。早速。勤務。音声。など小学校で習った漢字がたくさん見受けられます。
意
この文字は「音」と「心」を組み合わせた「会意文字」です。
「音」から「心」を「おしはかる」が原義。
意味は「おしはかる。おもう。こころ」です。
熟語「意図」は、「図」も「はかる=図る」ですから、ほぼ同じ意味の漢字の組み立てになります。
「意外」は、おもっていることの外側ということになります。
以
音読み「イ」しかありませんが、例文で使い方を覚えておくと良いでしょう。
小学校では習いませんが、「もって」という読みがあります。
①手段方法を表す。
罪人は太刀をもって(以って)首を刎ねられた。
②理由を表す。
英才をもって(以って)世に知られた。
③80点以上は合格。80点をもって上がる。80点は含まれる。
その他:余人をもって(以って)代え難い=その人にしかできない。他の人ではかわれない