第11回:日本型オペレーティングリースの活用事例1(内部留保&元請会社対策)
こんばんは、JOLアドバイザーです。
今回の記事では、投資家目線で日本型オペレーティングリースの活用事例を紹介します。
※私について知りたい方は、下記の自己紹介をご覧ください。
1.高収益体質の下請け企業
高収益体質の下請け企業は、以下の理由から日本型オペレーティングリース(以下:リース事業)への出資をお勧めします。
(1)事実上の内部留保が出来る
(2)元請会社からの値下げ圧力をかわしやすくなる
下請け企業は、毎期の決算状況を元請け会社から細かく確認される事が多いです。
そして、利益を計上している場合は元請け会社からの協力要請により、以後は利益分が削減された値下げ発注を行われるケースが多いです。
これではせっかくの企業努力により下請け企業が利益を計上しても、永遠に内部留保ができません。
この様なジレンマを抱える企業は、リース事業に出資すべきなのです。
なぜなら、リース事業に出資すると、年度は出資金の80%相当が損金計上できる為、元請け会社からの値下げ要求をされない水準の利益計上をしているかに見える決算書を作る事ができ値下げ圧力をかわしやすくなる為です。
また、リース事業のスキームでは、満了時に出資金が償還される事から(※1)事実上の内部留保として運用していると言えます。
※1:投資の為、全ての元本が保証されている訳ではありませんが、正しい基準で出資案件を選べば、元本割れのリスクを減らす事は可能です。
また、預金や株式投資を活用した内部留保の場合、法人税を支払った後の利益を留保するする事になりますが、リース事業の場合は出資金の80%(※2)相当を出資年度に損金計上される為、出資金の40%相当の法人税も支払いも留保しているのと同じ効果ががあるのです。
※2:損金計上率は案件により異なるが70-80%のものが一般的
2.まとめ
一度発注元の値下げを受けてしまったら、値上げ交渉は非常に難航します。
また資金という側面でも、法人税の支払いによりキャッシュアウトしたお金は絶対に帰ってきません。
リース事業への出資を活用すれば、元請け会社に開示する決算書上では、ぎりぎりの利益で営業を行っている様に見える決算書を作れ、値下げ圧力を回避し事実上の高収益体質を維持できますし、
出資金にかかる法人税率相当の現金を外部流出せずに繰り延べできる為、事実上莫大な内部留保ができたのと同じメリットを享受できるのです。
コロナ禍における先行きの見通しが立たない現在、様々なリスクに晒されている企業の経営者にとっては、将来リース事業の償還金がある事は、大きな安心材料になると思います。
もちろん、日本型オペレーティングリース事業は、投資商品であり一定のリスクがある為、全ての案件が償還は確約できかせん。しかし、一定のルールに基づいて商品選びをすれば、大きなリスクを追う事はありません。
P.S.日本型オペレーティングリース出資の教科書を作りました
そこで、商品の選び方を記載した、日本型オペレーティングリース事業の教科書を作成しました。
有料ではありますが、私が過去に日本型オペレーティングリース事業の組成と販売で培った、失敗しない商品選びのポイントを記載しています。
出来るだけリスクの少ない利益の繰り延べをしたい方や、どのような基準で商品を選べば良いのか不安な方は、その悩みを解消できる内容となっています。
特定のリース会社の商品を斡旋する様なものではなく、全て中立な立場で商品選びで抑えるべき本とを記載していますので、ぜひ読んでみてください。
きっと参考になるはずです。