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第6回:リース会社SPCの役割

こんばんは、JOLアドバイザーです。

多くの投資家は、日本型オペレーティングリース事業(以下:リース事業)におけるリース会社SPC(以下:SPC)の役割について、以下の認識をしています。

①SPCが出資金の受入先である
②リース事業の賃貸人である

しかし、これは誤解です。
投資判断を行う上で、スキームを正確に理解する事は必須です。

そこで今回は、以下の観点からSPCについて深掘りする事で、スキーム理解のご参考となる記事を書きました。

(1)リース事業の賃貸人と出資金の受入先
(2)SPCの役割
(3)SPCの収入源

読んでいただくと、リース事業のスキームやSPCの役割がより正確にご理解いただけるはずです。

※私について知りたい方は、下記の自己紹介をご覧ください。


1.リース事業の賃借人と出資金の受入先

リース会社が配布する説明書に記載されているスキーム図は、一般的に以下の様な表記が多いです。

<図1> リース会社が配布するスキーム図

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SPCがリース事業の賃貸人で、投資家はそのSPCに出資をしている様に書かれています。しかしリース事業の正確なスキーム図は<図2>です。


<図2> 正確なスキーム図

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複数の投資家で構成する匿名組合がリース事業の賃貸人であり、投資家出資金の受入先になるのです。


2.SPCの役割

リース会社のSPCは匿名組合に代わりリース事業を運営したり、出資金を集めて組合事業をサポートをする運営者でしかないのです。

もう少し具体的にお話すると、リース事業の賃貸人は匿名組合ですが、匿名組合は複数の投資家の集合体であり、その組合が主体性を持ってリース事業を行う事は困難です。

その為、SPCが営業者となり、匿名組合に代わりリース事業の運営・管理を行っているのです。

その対価として匿名組合はSPCに手数料を支払います。

3.SPCの収入源

前述の通り、SPCの収入源は匿名組合から支払われる手数料です。その原資は、投資家から募集する匿名組合出資金から支払われます。

<図3> SPCに支払われる手数料の原資

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<図3>の様に、物件購入代金を100とし、その内の70を金融機関からの借入金で調達したケースを想定します。

この場合、出資金で残り30を集めれば物件を購入できますが、10を上乗せして募集します。

そして、この上乗せして募集された10が運営者であるSPCへ支払われる手数料原資となるのです。

よくリース会社が配布するパンフレットで、リース物件の◯◯%が運営者への手数料として支払われます、という記載があります。

その◯◯%部分が上記図3の赤色の部分に該当し、運営者のSPCに支払われる手数料になるのです。


出資判断で注意していただきたいこと

投資家の中には「大手リース会社のSPCに出資をするのだから、まあ大丈夫だろう」と考えて出資を決める方がいます。

しかし、前述の通りリース会社のSPCは、匿名組合から運営委託を受けている運営者であり、当該リース事業とは一切の資本関係が無いのです。

つまり、リース事業がうまくいかず、投資家出資金が毀損する様な事態が生じても、SPCやその管理者であるリース会社は一切の補填を行いませんし、なんらダメージを負わないのです。

以上から「大手リース会社のSPCだから、出資しても大丈夫」という判断はせず、その案件の安全性を検討した上で出資をする事が大切です。


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これから出資を検討している方は是非読んでみてください。どんな目線で商品選びをすれば良いのかについて記載しており、読んでいただく事で安全性の高い出資案件を選ぶ目線を持てる記事になっています。

※どんな案件に出資すれば良いのかについても言及しており、大切な資金を守る為の参考になるはずです。

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