舌の吸盤化による効用④
発声法トレーナーのよらんだです。
「舌は下でなく上に」宗廣素徳著文芸社刊の中で紹介したいトピックがあり連載しています。
今日はその4回目、舌の吸盤化をすると唾液が増えること。
それで唾液の作用について整理してみようと思います。
(ここから引用)
舌を口蓋の上に貼り付けて15秒くらいすると、口の中にサラサラの唾液が満ちてくるでしょう。•••
まず唾液というのは、顔の左右両側に一対ずつある耳下腺、顎下線、舌下線の3種類の唾液線から主に分泌されています。•••
また、これらの三大唾液腺以外にも、口唇腺、頬腺、舌腺、口蓋腺、臼歯腺などの小さな唾液腺が、口腔粘膜には無数にあります。•••
唾液腺は自律神経に支配されているため、心の状態に左右されやすいことも特徴です。•••
口の中はいつも唾液で潤っていることが理想です。それは唾液がもたらすさまざまな効用があるからです。•••
①消化作用
唾液の中に含まれるアミラーゼの働きによってデンプンを分解し、食べ物を飲み込みやすくして、嚥下を助けます。
②円滑作用
口の中を湿らせることによって、舌の運動を滑らかにして発音を助けたり、言葉を発しやすくしたりします。
③溶媒作用
食べ物を溶解し、舌で味覚を感じさせます。
④洗浄作用
口の中の食べ物のカスや細菌を、きしゃくして洗い流します。
⑤抗菌作用
唾液の中にはリゾチーム、ペルオキシダーゼ、ラクトフェリンなどの抗菌物質が含まれていて、細菌の発育を抑制します。
⑥緩衝作用
口の中が虫歯になりやすい酸性に偏ったときに、中性に戻す働きをします。
⑦歯の保護作用
唾液中のタンパクが皮膜を形成し、歯を保護したり、脱灰によって歯の表面から失われたカルシウムやリンを補って、歯を修復します。(ここまで引用)
発声法では、発音によって、舌先が上歯の裏にあるときや奥へ丸めて飲み込むような形をつくりますが、舌根は下歯の裏につくほどに前に出す練習をします。
たえず、唾液がサラサラとでときますので、下唇と下顎を使って、飲み込むのも練習のうちに入ります。
発声するほど、口の中が潤ってきて、
舌も滑らかになってきます。
唾液の良い作用がたくさんあることにも、時に
思いを巡らせていただけたらと思います。
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