イスラエル研修備忘録4 2日目 エルサレム 十字架の道行き編②
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ヴィアドロローサ。キリストの受難の道。
その道をたどることはクリスチャンの方たちにとっては一生に一度は経験したいと夢見るそうです。
もちろんこの巡礼でも最大のメインイベント。
そんなメインイベントを初っ端の2日目に持ってくるとは…。
さあ気合入れて行きましょう。
ヴィアドロローサの歩き方
今回の巡礼では以下のような流れでヴィアドロローサを歩きました。
1.各ステーションに到着
2.ガイドさん解説
3.司教様の聖書朗読
4.皆で祈りを捧げた後出発
5.ロザリオの祈りを唱えながら次のステーションに向かう
ロザリオの祈りというのは、アヴェマリア10回+主の祈り1回をワンセットとして行うお祈りです。
私はカトリック系の学校卒だったので、よく朝礼前とか黙想会とかで唱えさせられました。
ただ、私がカトリックの学校に通っていたのは今から〇十年以上前。
お祈りの言葉も変わっています。
(私の時代は「めでたしせいちょう満ちみてるマリア~」「天にまします我らの父よ~」といった言葉だった)
今回の参加者には私以外にもノンクリスチャンが多く、出発前に、クリスチャンである同僚のマコちゃんのお母様が、「主の祈り」「アヴェマリア」「栄唱」のお祈りのカードを事前に私たちにプレゼントしてくれていました。あらかじめ神父様に祝福していただいたこのお祈りのカード、旅行中はずっとポケットに入れてお祈りの時はさっと取り出して、本当に助かりました。マコちゃんのママに感謝!
閑話休題。
まあこういった流れで第2ステーション~第14ステーションまで歩きました。
ヴィアドロローサ第1ステーション「ピラトに裁かれる」の場所は、現在学校の敷地内にあるので、部外者は入れません。なので、第2ステーションから開始です。
一応学校の裏側までは行きました。
という訳で本格的に歩いたのは第2ステーションからです。
ヴィアドロローサ第2ステーション
ヴィアドロローサ第2ステーションは「有罪に定められ、鞭で打たれる」。
各ステーションには↓のように、壁にステーションの彫刻が付けてあります。
ライオン門を通りエッケホモ修道院~鞭打ち教会へ
近くには有名なライオン門。
そして、エッケホモ修道院を見学した後、鞭打ちの教会へ。
アーチの部分にいばらの冠モチーフがあり、いかにも受難の教会という感じ。
この教会の中庭で、でっかい十字架を持ったおじさんがガイドさんに話しかけてきました。
「巡礼者か? この十字架を持ってヴィアドロローサを歩くと良い。良い記念になるぜ」的なことを言ったのかどうかは分かりかねますが、この後、交代で二人一組で十字架を担いで歩くことになったのでした。
街中で十字架を持って練り歩くのはちょっと目立つなあとも思っていたですが、現地の人たちは巡礼者を見慣れているのか、「またやってるなあ」的な反応でした。
ヴィアドロローサ第3&第4ステーション
ヴィアドロローサの第3ステーション「最初に倒れた場所」と第4ステーション「悲しむ母マリアと出会う」は隣同士にあります。
今はアルメニア教会の管轄だそうです。
ヴィアドロローサ第5ステーション
ヴィアドロローサ第5ステーション「キレネ人シモンがイエスを助ける」。
この辺りは狭い坂道で、団体で十字架持って歩くのは大変だったのを覚えています。
ヴィアドロローサ第6ステーション
第6ステーションは「ベロニカがイエスの顔を拭く」。
あれだ、西洋美術史で出てくるキリストの顔拓を取るシーンだ。そんなに顔がくっきりと残るのってどんな拭き方をしたのかいつも疑問です。
ヴィアドロローサ第7ステーション
第7ステーションは「二度目に倒れた場所」。
ここは商店街のど真ん中でした。
なので歩くのも商店街。ロザリオの祈りをブツブツ唱えながら十字架を担いで歩く東洋人の集団なんてさぞや怪しいことだろうと思っていたのですが、さすがに世界中から巡礼団がやってくる街。珍しくもなかったようです。
ヴィアドロローサ第8ステーション
第8ステーション「イエスがエルサレムの婦人たちに語りかける」。
ここも繁華街の中でめっちゃ狭かった。
道行く人たちの邪魔にならないように固まってお祈りしていたことを思い出します。
ヴィアドロローサ第9ステーション
第9ステーション「三度目に倒れた場所」
繁華街を抜けて静かなところに出てきました。
この後聖墳墓教会に向かうので、ずっと交代で運んできた十字架とはここでお別れです。
コプト教会へ
隣接しているコプト教会を通り抜けつつ見学して、聖墳墓教会の入り口に出ます。
コプト教会には初めて入ったのですが、薄暗くてちょっと鄙びた感じがして、やはりカトリックやプロテスタント、ロシア正教やギリシャ正教の教会とは少し雰囲気が違いました。
ヴィアドロローサ第10&第11ステーション
ヴィアドロローサ第10~14ステーションは聖墳墓教会にあります。
という訳で戻ってきました、聖墳墓教会。
お昼ご飯の後にちょっとだけ見学した時よりも人が増えてた。
第10ステーション「衣服を剥ぎ取られる」は入り口右側の聖堂とのことでしたが、団体からはぐれないようにするのに必死で、あまり良く分かりませんでした…。
第11ステーション「十字架が建てられる」は聖墳墓教会入って階段で上に登ったところにあるチャペルです。
モザイクが美しかった。
人がごみごみでワイワイなっている中にも静謐さがあり、心が静かになる場でした。
ヴィアドロローサ第12&第13ステーション
第12ステーション「イエスの死」。とうとうやってきました。
ここがイエスが十字架にかかって亡くなった場所。
ギリシア正教の管轄だそうで、私たちが入る前に正教の神父様たちがお祈りされてたので、入れないかなあと思っていたのですが、何とか入ることができました。直前にお祈りされていたので、辺りに乳香の良い香りが漂っていました。
隣にあるマリア様の像が、本当に悲しそうな表情で、素材がツヤツヤしているせいか涙を流しているように見えて印象的でした。
第13ステーション「イエス、十字架から降ろされる」。
聖墳墓教会に塗油の石という香油が染み込んだ石があり、各国の巡礼者がロザリオや布をこすりつけていました。私もせっかくなので日本から持ってきたおメダイにすりすりしておきました。手を嗅ぐとたしかに良い匂いでした。
ヴィアドロローサ第14ステーション
第14ステーション「イエス、墓に葬られる」。
ようやくヴィアドロローサ完走です。
ガイドさんが「悲しみだけでなく、復活の喜びもある教会です」と言っていたのが印象的でした。
お昼から歩いて、終わった時にはとっぷり日も落ちて、めっちゃ歩いた一日でした。
意外と都会の真ん中を歩いたなあという印象です。
途中、職場の先輩が屋台で買ったでっかいベーグルを一口分けてくれたり、大声で歌っているユダヤ教徒の青年たちの集団と遭遇したり、他の国の巡礼者たちが聖歌を歌いながら歩いていたり、日本では味わえない良い意味で混沌とした空気を味わえました。