百不思議の小学校‐Zombie Apocalypse(2)
運よくてっぺんをつかむことができて反対側へと飛び越えた。
だが、もしも自分が飛び越えれたとすれば… 今考えていたことが現実になった。
飛び越えることは可能だ。ゾンビたちも同じだ。ゾンビたちはどんどん塀を飛び越えてきた。最後には塀まで倒れてしまった。
逃げ続けていると車の中から手を振っているのが見えた。腐ってもいない手だった。なぜかそれにつられて車の中に飛び込んだ。
そこには普通の人が立っていた。するとすぐにハンドルをつかみ、走り始めた。
「つかまっててね!」煙草を口に挟んだままハンドルをぐるりと回した。
普通の車にはできそうにない曲がり方をした。まるでスポーツカーのようだ。
少し行くとゾンビの数が減っていた。だが、道路にもゾンビはいる。そこらじゅうはボロボロだ。
だが、車はゾンビたちに突っ込んでいった。まるでこのゾンビたちが死なないことを知っているかのようだ。
ガタガタとしていたが少し進むと一つの倉庫についた。
「ここだ」その倉庫は入り口があった。鉄でできていて、ゾンビたちが壊せそうには見えない。
ガラガラとドアを閉めるとくるりとこっちを見てきた。「それで、君だけなのかな?私達以外の最後の生存者は」
少し考えてから首を振った。「違うと願いたい。でも多分あっているよ」倉庫の中を見渡すと静かだった。
ここにはゾンビがいないようだ。食料は様々あった。ソファだってある。テレビだってパソコンだってあった。
そこには大きな箱があった。てっぺんを目の前から見ようとすれば上を見上げないといけない。
「これは世界にたった一つしかない電気をためる機械だ。これを使えば一生ゲームを遊んでいれる。まあゲームを持っているのならばだがな」
軽くたたくと中はぎっしりと詰まっていることが分かった。とても響かない音だ。
すると、手を伸ばしてきた。「石丸だ。よろしくな」頷いて握手をした。「小林、よろしく」
周りを見ると壁で囲まれている。天井もある。地面はコンクリートでできている。
「でもこんなものでゾンビから身を守れる?突き破ってくれば終わりだよ」
すると、にやりとわらった。「だってゾンビたちは見えない限り攻撃してこない」
そのことはほぼ完全に忘れていた。
そのまま周りを見ていると様々なものを見た。
その時思った。いったいこの世界はいつからこうなったのだろうかと。
だが、訊くことはもう少し後にしておこうと思った。訊けば少し失礼だと思ったからだ。
すると一つの武器を見た。普通の日本刀だが本物だ。とがっている。試しにそこら辺のリンゴを空に投げ、切り落とそうとした。
だが、まだ特訓画筆賞なのかミスってしまった。「もう少し特訓が必要か」地面に落ちたリンゴを切ろうとすると真っ二つに切れた。だが、少し中心からはずれていた。
戻ると一つ知りたかったことを訊きに行った。
これはこれからのことでとても大事なことだと判断した。
歩いていくと向こうではバナナを向いていた。
「ねえ」問いかけるとこっちを向いた。「どうした?」
一度深呼吸をすると口を開いて訊いた。
「ゾンビって回復する?」