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私の名前は石丸いしまる春香はるか。アイドルをしている。
だが、最近はあまりうまくいっていない。
人前に出ると緊張するようになったり、他にもさまざまだ。
だが、ある日、ある男性により、それはひっくり返った。
ある、不思議な男性によって。

「はー、」私はため息をついた。
今まではうまくいっていたが、少しくるってしまったようだ。
「大丈夫ですか?」私の横から一人の男性が現れた。
私は驚いて跳ねのいてしまった。「驚かなか打ても大丈夫ですよ」彼はにっこりと笑った。
とてもやさしそうだが、油断はできない。
「誰ですか」私は警戒しつつ聞いてみた。
彼は少し困った顔をしていた。
私は少しだけ警戒を緩めてしまった。
「それで、何をお考えで?」私は彼にすべてを説明した。
どうしてそんなことをしたのかはわからないが、つい教えたくなってしまった。
「そうですか…私がお助けできると思います」彼はソフトな声で言ってきた。
それに負けてしまい、私はとても安心してしまった。
「これからよろしくってことなのかな?」私は彼をもう一度じっくりと見た。
彼はどうにも不思議な恰好をしていた。まるで大昔の格好だ。
私は彼にいろいろと助けてもらった。
例えばステージの裏で緊張していたところを、
「大丈夫ですよ」肩にまた誰かの手が触れた。
「ヒャ!」前と同じように奇妙な声を出してしまった。
前と同じことが起こったが、その後は緊張せずにすることができた。
ほかにもいろいろと助けてもらった。
彼はいつも困ったときに現れ、大丈夫になると消える。
だが、時々はプライバシーが欲しいと思った。
この前だってトイレで鏡を見てため息をついていた時にも表れた。
「大丈夫ですよ」必ずこの言葉を話してくる。
だが、今回は私の反応も少し変わっていた。
「なんでここにいるの!ここは女子トイレだよ!」彼はどう見ても男子だ。ここにいてはいけない人なのだ。
「困っているように見えましたから」彼は全く気にしていないように見えた。
だが、私からすれば関係ない。「ここは女子トイレ、今回だけは大丈夫だから!」
彼を納得させるのは苦労した。
彼は結構助けてくれる。心をほぐしてくれたり歌い方を教えてくれたり。
だが、時々はプライバシーというものを持ってほしいと思った。
トイレのこともあったが、他には私が部屋のベッドで横たわっているときに現れたことだってあった。
「大丈夫ですよ」今回は何も起きていなかったのでれがいったい何を考えていたのかがわからなかった。
「今日は何しに来たの」少しだけ面倒だった。
彼は首をかしげていた。まるで出る時間を間違えたといっていたかのようだ。
「いやいやいや、考えてみたらそうでしょ」私はため息をついた。
彼は私を見ていた。「はー、もういいや、それで、今回は何のよう?そこまで困ったことはないけど」
彼は首を振った。
「今日はそこまで何もないですよ」予想外の答えだった。
私は一瞬ひるんでしまったが、彼をもう一度見た。
「本当に?」彼は頷いた。
私はとりあえずそのままベッドに寝転がっていた。
「私がしたいことはたった一つです。さようなら」その一言を境私は彼を見なくなった。
だが、私は悲しくなかった。なぜかわかっていた。
私がもう彼を必要なくなったのだと。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい