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「さてと、見つけてみるか。あの手紙を」 少し学校を回ると、あるところはいつも開いている。 そして、そこから私は中に入った。
学校には簡単に侵入できるというわけだ。 だから、ここから入ればどんなあほな泥棒でも侵入可能だ。
いくら経ってもここは開いているので私は夜の出入り口として使っている。 結構よく使える。他に入った人はいないだろうから、私だけの出入り口だ。
私はそのまま中に入り、堂々と廊下のど真ん中を歩いていった。 靴箱のところに行って中を見たが何もなかった。
そのままそこら辺を回ってから戻ったが、特に何も見つからなかった。 一瞬目をそらしてまた靴箱の中身を見てみると、そこには1枚の紙が置いてあった。
いったいどうやってその中に入れたのかはわからないが、そこには確かに神が置いてあった。
持ち上げてみると何かおかしなことを感じ取った。少し重かったのだ。少しほどでもない。確実にこの中には紙以外も入ってあった。
だが、取り出してみるとそこには紙しかなかった。しかもその紙には重みがなかった。重みがあったのはカバー本体だ。
びりびりに破ってみると、薄い鉄の板が現れた。確実にこれが原因だ。
少し考えてみると、どういうことかが分かった。『磁石』だ。
簡単に説明しよう。説明はめんどくさいので。
ここにある靴箱は全て木でできている。勿論窓はある。だが、他の学校よりは確実にその分厚さが薄い。
なので、磁石がぎりぎりくっつくほどだ。そこまで大きなものはできないが、神ぐらいの物なら支えることができるだろう。
その上にある靴箱、ひろしのを開いてみると、そこにはやはり磁石があった。少し工夫されたもので、何かのセンサーで磁石が持ち上がる仕組みになっていた。
だが、弘が犯人というわけではないだろう。彼が出ていった後に仕掛ければいいことだ。だが、まだだれがやったのかわからない。
周りを見回っていたが、誰も見当たらなかったので誰もいなかったのだろう。
だが、誰も初めからいなかったということは少し考えづらい。なぜかというと、回る前には中まで見たからだ。
ということは私が回っている間にこっそりとあそこに張り付けたということ、ここから消えていくのはまず不可能だろう。
もしも出来たなら、ただ運がいいか、そういう逃げ足の速い影だ。
だが、もうそこには誰もいなかった。とりあえず家に帰ると手紙を開いた。
だが、その中には何一つ書かれていない。光の下にかざしてみると、何か文字が浮かび上がってきたが何と書いてあるのかがわからなかった。
色々な角度にしてみたが、何かが書かれているとしかわからなかった。太陽の光を使おうとしたが、もう遅すぎてとっくに太陽は消え去っていた。
もうめんどくさくなり、私はその紙を持って学校から去っていった。また明日読めばいい。もっと天気がいい時に。

だが、次の日は神が敵だったようだ。曇りで、ろくに太陽など見えなかった。
これを咲良と優真に話していると、蓮太が懐中電灯を持って通りかかった。
ふざけて振り回していたが、それは普通の懐中電灯ではないことがすぐにわかった。
ブラックライトだ。その時は何も思わなかったが、その光が神に触れた時、気付いた。
一瞬の間だったが、文字が見えたのだ。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl @コメント/返信99.9%