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「なんでここに!?」僕は彼女に向かって訊いた。
彼女の同じことを考えていたようだ。
「そっちこそ!」そこで少し気まずい空気になってしまったが、その空間はすぐに消えた。
「「とりあえずこっちに…」」僕たちはお互いの家を指さした。
「「それじゃあそっちの家に…」」またもやかぶってしまった。
「…」ちょうどそこにホノカが歩いてきた。「ちょ!?そのアイス、どこで見つけたんだ!」
彼女が手に持っていたのはアイスだった。水色だったので、すぐにそれが何なのかわかった。
「返せー!」それは、僕がいつか食べようかと残していたものだった。今は春だったので、夏の暑い日に~…と、思っていた。
僕がホノカを追いかけまわしているのを見て、マリナは爆笑した。
「ハハハハハハ…!」仕舞いには息切れて息が荒くなっていた。
彼女を捕まえることができた時にはもうアイス棒しかなかった。
「こいつ…」彼女は恐る恐るとアイス棒を僕に渡し、すたこらさっさと逃げていった。
「あ」その棒を見てみると、今回だけは見逃すことにした。
その理由は、アイス棒に書かれていた文字だ。
そこに書かれていたのは…
あたり
だった。

「よっしゃ!」僕は新しいアイスをもらうと、飛び跳ねた。
「ヒカルって子供らしいところ、あるよね~」僕はそれを聞き、ムッとした。
「まあ、マリナも子供らしいところあるけどな」それは彼女の胸に突き刺さった。
「いやいやいや、ヒカルのほうが子供っぽいって」「そんなわけないだろ、マリナのほうが…」
このディベートは1分も続き、しまいにはアイスを売っている人からアイスが解けるといわれ、家に慌てて帰ったのだった。
「ただいま」マリナはどこに行ったのか知らないが、僕はアイスを冷凍庫の一番後ろに入れてその前にいろいろなものを置いて隠した。
「お、お帰りなさい…」まるでありの声みたいな声が向こうのほうから聞こえてきた。そこにいたのはホノカだった。
本当なら許していたが、そうすれば甘くみられると分かっていたので僕は罰を与えた。自分にも得な罰を。
「明後日の学校では接触なし!」彼女はめちゃくちゃショック!という顔だったが、これは僕からすればいいことだった。
最近彼女と接触しすぎてクラスの中から嫌なうわさが聞こえてきたのだった。その情報はとある友達が教えてくれた。
「そういうことで、今日はもう寝るよ」彼女はしょんぼりしながらもうなずいた。
僕は彼女の服を着替えさせ、ベッドに入れた。これは普通になれたことだ。
何か月もやって来たので、もう慣れた。初めはめちゃくちゃ恥ずかしかったけど、しまいにはなれたのだ。
彼女と初めて会ってから1ヶ月ほどの間は結構苦労した。お母さんに頼みに頼んでやってもらったことだってある。
「それじゃあお休み」僕はベッドに入ると彼女にささやいた。だが、返事はない。
まあ、彼女にとっては結構苦しい罰だとはわかっていた。その覚悟はできている。
「…」僕は目を閉じるとすぐに寝ることができた。今日は結構疲れたからだ。
家を飛び出してマリナと会いに行った理由も忘れて。僕はすやすやと寝ていたのだった。

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