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「わ!?」
白い糸はどんどん出てきた。
「こ、これは!?」ちょうど来た瘋癲フウテンが驚いた。
彼女は目を光らせた。「これはいったいどこで手に入れたんだ?」俺は一瞬驚いたが、答えた。
「その…なんか急に口から出てきた」それを聞いて瘋癲フウテンは茫然と立ちすくんだ。
「冗談ですよね」俺は首を強く横に振った。もしもこれが人間フォームの時に起こればめちゃくちゃおかしな見た目になっていただろう。多分、ラーメンを食べる姿が巻き戻しになったかのようだ。
俺は寒気で震えながら白い糸を見た。「それで、これはいったい何なんだ?」それには瘋癲フウテンではなく、ソウルが答えた。
『はい、これは先ほど注文した、粘着力1パーセントの蜘蛛の糸です』俺は驚いた。「それ、めちゃくちゃ前に頼んだやつじゃん!」だが、もう神は逃げていた。
俺以外の人には聞こえないが、ソウルは確かに人間だ。その証拠として、厄介な時には逃げるし、答えを知っていても答えてくれないことが多い。
「ハ~…」俺はため息をついてから瘋癲フウテンのほうを向いた。「これで作れるか?」何を作ってほしいのかはもうわかっていたようだ。
瘋癲フウテンは頷き、糸を拾うと猛スピードで走っていった。
「慌て者だな~」俺はとりあえず何もすることがなかったので、捕食者を使って遊び始めた。
できるかはわからなかったが、試してみることにした。
少し太目な木を見つけると、細かく捕食者で角を削っていき始めた。
「よっしゃ!」仕舞いにはさっきまで濃い茶色の丸い木が、今では薄茶色の四角い木になってしまった。
「これに線をつけて行って~」どんどん線をつけていくと、しまいには顔ができた。「できた!名作、へのへのもへじ!」
ふざけるのは終わって、今度は本格的に作り始めた。「おーい、ソウル~、いるか~?」すると、答えが返ってきた。『はいるか?』
その意味がすぐに分かった。「普通の言葉をダジャレに変えるな!」俺はため息をついて要求を言った。
『お安い御用です』そして、すぐに始まったのだった。
それは数日かかる作品だった。まあ、そこまでかかってもおかしく内容のめちゃくちゃおかしい作品だったので、そこまでは困らなかった。
しかも、スライムの間は食べ物がいらないのでそれはいいことだ。
数日後には、やっと完成した。それは多分3日ほどかかっただろう。
それを作っている間にどうやら噂の一覧に入ってしまったようだ。
俺が作っているのはめちゃくちゃでかいものなのだから。
「最後にこうして…完成!」外に出てみてみると、それは蜘蛛…じゃなくて雲も突き抜ける高さの木が立っていた。
そこには門のようなドアがあり、中に入ることができる。中は俺が捕食しまくって何階もある。
まだ何一つ部屋を使っていないが、いつかは使うつもりだ。
自分一人で住むのも大変なので、ホノと暗闇狼ダークウルフも呼んだ。
死狼シルフには少し小さくなってもらった。今のサイズではまずこんな小さなドアを通れないからだ。
暗闇狼ダークウルフほどの大きさになってもらうと、中に入った。
「今までの間何をしているのかと思いきや…」ホノは完全にあきれていた。
「ようこそ!これからの俺の家へ!」

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい