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百不思議の小学校‐どんな願いでもかなえる箱

あんなことが起きたらいいのにな、こんなことが起こればいいのにな。 僕は少し考えすぎていた。
だが、そう考えていると楽しくなってしまい、考え続けてしまう。
僕はある日、同じ願い事を考えながら路地を歩いていると1つの箱が地面に落ちていた。
普通の箱にしか見えなかったが、なぜか目が引き付けられた。
その箱を拾い上げようとすると、重かった。
重すぎて、1トンはあるとも思えた。
だが、地面は平気だ。気のせいだろう。
箱は黒かったが、横には蜂の白い絵が彫り込まれていた。
そこには白い文字で何かが書かれていた。
『どんな願いでもかなえる箱
あなたの願い事をいくらでもかなえてあげます。
100円
Aよりの心いいお届』
僕はちょうど100円だけ持っていた。
なので、試しに文字の上にあった穴へと100円を入れた。
試しに願い事を心の中で考えてみた。
魔法の世界になりますように。 これはそこまで本気ではなかった。
だが、目を開けても何一つ変わっていない。
僕はがっかりして家に向かって歩いていった。
だが、変化が分かったのはもう少し先だ。
曲がり角を曲がろうとしたとき、小学3年生ほどの少女が走りながら通りかかった。
そこまではおかしく思わなかった。
だが、おかしく思ったことは彼女の速度だ。人間速度を確実に超えていた。
しかもあんな小さな子の速度は。
後ろを見てみると彼女は放棄にまたがって空を飛んでいた。
僕は目を丸くして飛んでいく少女を眺めていた。
「本当にできたんだ」僕もやってみたかったが、その方法がわからなかった。
帰っている途中にも見たが、空をたくさんの人が放棄にまたがったりして飛んでいた。
僕はしょんぼりと家に帰ると、お母さんが台所にいた。
だが、いつものように手を使って包丁で切っていなかった。
彼女は手を少し降ると、包丁が勝手に動き始めた。
他の野菜や具も飛んできた。
僕はすべてを目にしたが、いったいどうやったらいいのかわからなかった。
試しに手を振ってみたが、何も起こらなかった。
「あら、お帰りなさい」お母さんは僕を見てにっこりとほほ笑んだ。
僕は微笑み返し、自分の部屋に入っていった。
これは取り消したほうがいいことなのだろうか、この世界は壊れるのではないのか、と、僕はつい考えてしまう。
だが、そんなことが得たって無駄だ。せっかくこの世界にしたのだから楽しみたかった。
僕は紙を持ってきて、練習しようとした。
だんだんとコツをつかんできたのはそれから数時間立った時だ。
心の底からエネルギーを与える感じにしてみると、ふわりと浮かんだ。
僕はうれしすぎて飛び跳ねて、下にいたお父さんに怒られた。
お父さんに僕の達成を見せたが、お父さんは初級なことだといってそのままになった。
僕はまたしょんぼりと紙を眺めた。
僕はまた願い事をかなえたくなってしまった。
あれを使えばどこまですごいことができるだろうか。考えているだけでわくわくしてしまった。
神にだってなれるかもしれない。不老不死にだってなれるだろう。
僕は100円を手にして、あの箱めがけて一直線に走った。
やはり、そこには箱が置いてあった。
僕は100円玉を中に帆織り込むと手を合わせた。
来る時までは不老不死になってみたいと思っていたので、そう願いたいと思った。
一生死なず、一生年を取らず。
だが、手を合わせた時にあることが頭を横切った。
「死ぬなら平和に死にたいな」
それを考えた時、目の前が真っ暗になった。
もうその夜にはいなかった。そこにあったのは倒れた僕だった。
僕はその時、死んだ。静かに、平和に。