「…」忍差はひそかに屋根の上を走っていた。彼女は考えたことがあっているのかを確認するためにある方角へ走っていった。「いた」彼女はある人物を発見した。
「私の居場所が分かったとは見事ですね。ですが、何をしに来たのですか」そこにはサラリー殺しが立っていた。「いったい何者」彼女は彼をじっと見た。
「行ったはずです、私はただのサラリーマンだと」彼女はさっと小石を拾い、彼めがけて投げた。子の速さからして普通なら手でも突き抜けそうだ。
だが、サラリーマンは2本の指ではさんだ。「私を殺そうとでもしたのですか?」彼は人を殺せるほどの速さで石が来たのに全く動揺していなかった。
「あなたは何者」彼女は警戒体制を問た。「私はーー」彼はまた同じことを言おうとした。だが、そこを止められた。
「そんなはずはない。こんな速い石を止めれるのは普通の人間にできないこと」彼はあきれたような口調で話した。
「今のは少し遅いです。私には風船と同じように見えましたよ」忍差はその言葉に腹を立てた。からかいの言葉として受け止めたようだ。
彼女は地面から複数の小石を拾い上げ、投げつけた。が、それもすべて受け止められた。彼にはかすり傷一つない。忍差は悔しそうにしていた。
「その力では人に勝つことはできない。それが常識よ」後ろから誰かの声がした。「!」彼女が後ろを見るとそこには一人の少女がいた。「だれ…」忍差はあったことない少女だった。
「どういうこと」それよりも彼女が気になったのはたった一つ。人に勝つことができないということだ。
「私の言った通りよ、まだ彼に勝つことはできないわ」少女はその言葉を残し、消えた。誰にも見えないほどの速さで。
「は、速い…」このスピードには忍差もたいてい及ばないと分かった。「いや、あれはその場から去ったのじゃない、消えたのですよ」彼はコーヒーを継ぎ、すすりながら話した。
「消え…た」彼女は少し考え事をした。「消えたというのは一体どういうこと」忍差は彼の言ったことに批判をしてから気が付いた。
前に見たあの力を、一人の少年が繰り出した力のことを。
「やっとわかったかな、この世界にはまだ君の知らないことがたくさんあるんだよ」彼は気が付くとコーヒーを飲み終わり、その場から去ろうとしていた。
「あなたは…何者」忍差は1歩前に出て聞いた。「私はただのサラリーマンです」彼もその言葉を残し、去った。
「…」忍差は下を向き、黙った。何も言うことなく。
彼女の頭には今、大量の疑問が抱かれていた。
さっきの女子はいったい誰なのか。
あの男は本当に何者なのか。
私が知らないこととはいったい何なのか。
いったいどうやって彼女はその場から消えることができたのか。
などと、数々の質問が頭の中を駆け回っていて、ろくに考え事もできなかった。
学校に変えるともう誰もいなかった。残っているのは多分先生だけだろう。
忍差は教室に窓から忍び込み、自分のバッグを持つとその場から去った。
「…」忍差は自分の部屋にも窓から入り、靴を脱ぐとベッドに倒れこんだ。
彼女は今、何も考えることができなかったのだ。
何一つ。