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「♪♪♪」俺は暢気に空を飛び回っていた。
向こうに町が見えてきたので、ちょっと寄ってみようと思った。
すると、町のほうから何かが飛んできた。
分かったのは目の前に来てからだった。
「矢だ!?」だが、よける暇もなく、矢はまっすぐ突っ込んできた。
ギャー! 俺は死んだと思っていた。
生きているはずがない。しかも何か矢が黒かった。
だが、いくら待っても天国にはいかなかった。
その代わりに、おいしい感触が存在しない唇にしみ込んだ。
「おいしい!」スライムの姿では食べ物のおいしさが感じ取れなかった。
だが、どうしてか苦さだけは感じ取れた。
時々おいしさも感じ取れるが、どうしてかはさっぱりわからない。
「もっと欲しい!」矢はどんどん飛んできたので、すべてを飲み込もうと必死だった。
飛び回ってどんどん飲み込んでいた。
すると、向こうに何かが見えた。
いったい何だったのかはいまいち見えなかったが、少しやばそうなものだった。
「あれって…体表じゃない?」口に出してから頭まで届いた。
「逃げろー!」俺は慌ててひっくり返り、逃げていった。
だが、頭の中にはあるものが残っていた。
「あれもおいしかったりして…」だが、逃げたので、どういう味かはわからなかった。
俺は慌てて逃げていき、村まで戻った。
「よし、あそこに着地しよ」窓があったので、そこから入り込もうと思った。
ちょうどその時、ドアのところにホノが現れた。
「?」俺はそのまままっすぐと進んでいた。
すると、彼女は予想外のことをしたのだった。
戸を閉めたのだった。
「アワワワワッ!」俺はそのまましまった窓に突っ込み、200メートルほどの高さを落ちていった。
地面に落ちると、ペッちゃんこになった。
ちょうどそこへ、何かしらの魔物が現れた。
見たこともないような、犬のような魔物だった。
俺に興味を持ったのか、嗅ぎ始めた。
俺は動けなかったのでとりあえずそのままいた。
「…」少しすると、どんどん犬が増えていった。
俺は犬たちにとって、めちゃくちゃ興味があるようだった。
俺は冗談のつもりで丸くなると、普通の犬と同じだということが分かった。
何匹もの犬魔物が俺にとびかかってきた。
まだめちゃくちゃ高いところから落ちたので、飛び跳ねることができなかった。
だが、ボールになって、犬に飛びつかれたことで跳ねまわり始めた。
問題は襲われているみたいだということではない。
めちゃくちゃ回っているということだった。
まだ、目の回って気持ち悪くなる感覚を持っていなかったのはうれしいことだ。
だが、いくら持っていないとしても回っていると、勝手に気持ち悪くなる。
ボールになった俺が逃げれたのは木の上に乗ったからだ。
どうやら誰も登ることができなかったらしく、しょんぼりとどこかに消えていった。
その後、回復した俺はその場を大慌てで逃げていった。
戻ると、ホノを呼び出した。
「どうしたの?」彼女は全く気付いていないようだった。
俺は顔を真っ赤にして怒った。
「はいろうとしてた窓を閉めるってひどくない、どう考えても!」
俺がそう怒鳴ると、彼女は目をそらした。
「そ、それはね…」自覚があったようだった。俺は一番最初に思いついたことを言った。
闇狼やみだに触れることをこれから一週間は禁止!」彼女が闇狼やみだに抱き着くことが好きだということはもう知っていた。
それを聞いて、彼女はめちゃくちゃ悲しんでいたが、次の日には普通にいた。
俺がもう一度注意するまで、完全にそのことを忘れていたのだった。