無名小説スライム編(36)
そ、そんな…
「こんなやつを生み出してしまうとは…」真上を茫然と瘋癲は眺めてしまった。
なぜかというと、目の前には伝説とも言われたドラゴンが立っていたからだ。
「何だ?」俺は何かの気配がしたので、魔物や人間が放つ魔力を感知できる機会を取り出した。
それを見ると、真っ青になった。
画面が。
「何だ!?こりゃ?!」目の前にはマップなど存在しなかった。
あったのは、青い画面だ。水色といったほうがいいだろう。
外を見てみると、視界が真っ黒になった。
だが、視界が死んだというわけでもない。
そこにはデカい魔物がいたのだった。
デカいという言葉では表せないような大きさだった。
表す方法があるとすれば、デカい⁹(とにかくめちゃくちゃデカかった)といったほうがいいだろう。
「何だ!?こりゃ?!」俺は2度も同じ反応をしてしまった。
だが、今回は意味が違う。
さっきはマップを見ていったが、今度はちゃんと目(無いけど)で見たのだった。
「いったい何が起こったんだ?」俺は目をぱちくりとした。
目の前で起こっていることが少し信じられない状況になっていたのだった。
「犯人は誰だ!どの悪組織がやったんだ!」俺はよくアニメで見た状況を思いついた。
「お前だー!」向こうのほうから女性の声が聞こえてきた気がしたが、空耳だろう。瘋癲の声にも聞こえたが。
数人から数10人の闇組織が黒魔法とかを使ってめちゃくちゃ強い魔物を呼び出す~…とかやるのをよく見る。
確か大体の時は主人公が逆転勝ちをするんだっけ?
だが、ここはアニメで見るように甘くはないはずだ。
そう頭の中で考えていると、俺が視界に入った。
俺のようなちびっこは気にしないだろうと思ったが、でっかい魔物の目が真っ青に光った。
目がくらみそうなほどだ。「ギャ!?」俺が目を伏せると、初めの攻撃が飛んできた。
そして、俺は血まみれになって死んだ。
まあ、人間だったらの話だけど。
「もぐモグモグ…おいしい!」胃袋に飛び込んできた何かはめちゃくちゃうまかった。
もっと食べたくなったほどだ。
『自動捕食が発動したままです』
「グォーー!」ちょうどその時、上のほうから悲鳴にも聞こえる叫び声が聞こえてきた。
上を見てみると、怪物・魔物の片腕が消えていた。
「そっかー、さっき食べたやつってこいつの腕だったんだ。でも、うまかったな~」スライムになってから、ずっと食べることのできなかったうまみを俺は体験したのだった。
この心を穏やかにするのは100%セント不可能だ。
「もっともらうねー」俺は怪物に向かって飛び込んでいった。
「うまいうまい」上のほうからずっと叫び声が聞こえてくるのだが、気のせいだろうと俺は思い、捕食し続けた。
「グォー!」
目の前で起きていたことを見ていた瘋癲はあきれる以外に反応方法がなかった。
「自分で出しといて…食べるのかよ…しかもさっき、誰だー!とか叫んでたし…」どうやら全く気付いていなかったようだ。
「まあ、目の前には不死身の魔物がいるからな。さすがのドラゴンでも無駄だったか」ちょうどその時、本気で攻撃をしようとした。
攻撃方法は、ビームのような水色のビームを口から村めがけてぶっ放した。
運悪いと言ったらいいのか、運がよかったと言ったらいいのかはわからないが、ちょうどその時俺は口のところを食べていたのだった。
「ギャー!」