拾った女の子は常識知らず‐突撃二回目
「「どうして消えたの!?」」僕は一番最初に頭の中へ歩み出てきたことを口に出した。
「え?」どうやらマリナも同じことを考えていたようだ。
「いや、消えたのはそっちでしょ」僕は茫然と彼女を見た。
彼女は首を振った。「消えたのはそっちだよ」
どうやらどちらでもおかしなことが起こったようだった。
「どういうことだろ…」僕たちは頭を悩ませたが、何一つわからなかった。
こんなことができる人は普通、居ないと思う。急に消えることはできない。
「誰がこんなことができるんだろうか…」結局わからないまま僕は自分の家に帰った。
「お帰りなさい」そこにはホノカがいた。まだメロンパンを食べていた。まだ半分以上残っていた。
僕はため息をついていった。「そんなにゆっくりと食べていたら歯が腐るよ」まあ、腐るわけではないが、虫歯になるといっても多分わからないから、こういった。
「腐るとは…どういうことですか?」彼女は腐るという言葉も知らなかったのだった。「虫歯ってこと」こういったとたんに彼女の手にあったものが消えた。
「ムムムググム」気づいたときにはメロンパンがまんまると口の中に入っていた。「口、意外とデカいね」彼女は威張っていたが、そこは威張るところなのかと僕は心の中で疑問に思った。
「ま、とりあえずそろそろ寝るよ」僕は口をもぐもぐとさせているホノカを引いて洗面台に行き、飲み込むと歯磨きを手伝った。
完全におにいちゃんって感じだったが、僕はあの不思議なマリナのことで頭がいっぱいだった。
「お兄ちゃん」僕は呼ばれてフと彼女を見た。「おやすみなさい」彼女はそのまま寝た。
今は洗面台にいる。「ちょ、それはベッドに入ってからしてよ!」だが、言い終わる前に彼女はぐっすりと寝ていた。
全く…いったいどんな睡眠能力を持っているんだ… 僕はため息をついた。彼女を背中に担ぎ、ベッドに向かった。
「全く…こっちに来た時から全く変わってないな…」あれから何か月もたったのに、彼女は全く変わっていなかった。
僕はもう1センチほど背が高くなったと思う。最近はランニングを始めようかと思っていた。ホノカのあの速度を見せられると黙ってはいられない。僕も一応負けず嫌いだからだ。
「お休み」僕は彼女をベッドに寝かせると、外に駆け出していった。僕はまだやらないといけないことがある。
僕はひたすらマリナの家に向かった。「もうちょっとだ」角を曲がるところで嫌な予感がしたので、足を止めた。
だが、誰も走り出てこなかったので僕はまた走り始めた。
角を曲がると、「わッ!」僕は誰かにぶつかってまたしりもちをついた。
「「またおんなじことが起こっちゃった…」」またもや同じことを言ってしまった。
僕はよく人と被ると思う。それが普通なのかはわからないが、僕は急いでいたので、立ち上がり、もう一人に手を差し伸べた。
「大丈夫?」暗くて顔は見えなかったが、彼女は頷き、僕の手を取って立ち上がった。
光に照らされた少女を見た時、僕は驚いた。目の前にいたのは正真正銘、マリナだったからだ。
「マリナ!?」「ヒカル!?」僕たちはお互いを見て驚いた。
「ちょっと、静かにしてくれんかな」近所の人にも怒られた。