シャドウキラー(38)
「何が?」夢に彼は石ころを見せた。「これ」夢は首をかしげた。「いったい何?この石ころは」夢には全く理解できなかった。「これをこう…」彼は空めがけて投げた。「!」夢は今まで見たことないものを見た。投げた石ころに火が付き、空赤く燃えていたからだ。摩擦の力だ。「まあ、これで奴らはかえって…」ちょうどその時、4人が目の前に現れた。「来た」「何か空で音がしたが…今のは何だ?」ボスはデリルガを見る。「さあ」デリルガはまるで何一つ知らないかのようなそぶりをした。「まあそれなら…」ボスはそのまま逃げようとしたが、少し遅かった。「捕まえた」2人はにやりとボスを見た。「いや、今のは…」ボスの言い訳は通用しなかった。
「問らえず俺は消えるか」嫌な予感がしたのでデリルガはその場から去った。その決断はとてもいいことだったのだ。そのあとそこでボスの機嫌が悪いほうへと傾いていた。
「とりあえず買い物でも数るか」こっそりと持ってきていた金でメロンパンを1つ買い、一瞬で食べ終わった。それを見ていた店員さんのあごは外れそうなほど開いていた。デリルガの食事速度が普通でなかったからだ。1秒間の間に歯を10回は噛んでいる。「ッ…」店員さんが固まっている間にお礼を言い、その店から出て行った。「次には…」彼は射的をすることに決めた。
「それでは打ち方を教え…」だが、デリルガは構えをとった。「!?」店員は目を丸くした。
あの構えは何だ、プロの構えだ…そんな馬鹿な、この構えは免許を持っている人しか教えられない特殊な打ち方…いったいどこで習ったんだ…それともまぐれ?そんなまぐれで特急の打ち方をできるのか?しかしもしもまぐれなら的に当たることも… ちょうどその時、デリルガは打った。まともど真ん中に。
当たったー! 店員さんはもう完全にあごが外れていたといってもおかしくないかもしれない。
だが、彼からしてはそれがまだ足りなかったらしくほかのまともすべて打ってしまった。ど真ん中に。「ハー…!」店員さんはもう声がかすれていた。口から言葉が出てこないのかまともな意味の分かる言葉を話さなくなった。
「何が合った!」ほかの店員も慌てて駆け付けたが、ほぼ全員が同じ状態になってしまった。「的をすべて壊されては困りますよ、的を取り換えるのは一応手間がかかるんでね」デリルガはぺこりと頭を下げ、その場を去ろうとした。「どうだろう、僕と君でかけをしないか?」デリルガはかけが大好きだった。お金でも命でも何でも書ける大馬鹿とも呼ばれていた。しかし、今までで負けたことはなかった。
「もしも僕が勝てば君が1万円払う、しかしもしも君が勝てば僕が1万円上げる。これでどうかな」デリルガは迷いもなく答えた。答えはもちろん、「成立だ」
「それではルールを説明しよう、といっても簡単だ。まずは的を用意する、そして交互に打ってどのぐらい的に当たるかを試す。一番中心に当たった人が勝ち…と言いたいところだけどもうちょっといい方法があるんだよね、1万円は結構だし…もうちょっと大変な方法でやろうか」彼は1本指を上げた。