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「はー、仕方ありませんね、手伝いましょう。今回だけは」僕はそこにいる人を見て驚いた。「ってことはここにいる人たちって…」新説はうなずいた。「ああ、ここにいる人はすべて超能力者だ。超能力を来っている人もいるがな」彼はある方向を見た。「はいはい、そんなことどうでもいいから子をどうするのか話しますよ」そのまま分かれていった。「って話すんじゃなかった?」新説は僕を見てきた。「そんなもの、テレパシーで話せるでしょ、どうにか解除方法を探さないとどうにもならないでしょ?あなたには一番責任があるんだからちゃんと働いてもらわないとね」彼女はそういうとそのまま窓へといき、瞬間移動でどこかへ消えた。「ま、僕たちも探しに行きますか」新説もその場から消え、窓の外に移動したのが見えた。「それじゃ僕は学校の中を探すか」僕はそのまま廊下を歩き始めた。
「そういえば…」僕はくるりと回り、教室へと戻った。「まあそんなわけないか」僕は周りを見た。「この世って止まったらこういう風に見えるんだ」僕は窓から外を見た。僕がベッドから出てきた時と同じくも、同じ場所に太陽があって同じ場所に人が立っていた。歩こうとしている人もいるし、自転車に乗っている人もいる。空には前と同じ、飛行機が飛んでいるが、プロペラも止まっているし、動きも止まっているのに落ちる様子はない。
ツン 後ろから誰かがつついてきた。「!?」僕は一瞬の反応速度で後ろを見たが、誰一人いなかった。しかも誰一人変わっていなかった。誰一人1ミリも動いていなかった。「気のせいかな?」僕はそのまま教室を出て外を歩いていると、また後ろからつつかれた。「誰!?」後ろを一瞬で見たが、誰一人いなかった。気配もしない。「…」僕は考え込んだ。「いったい誰だろうか…」その様子を誰かがこっそりと見学していた。
「まあやっぱり気のせいかな」僕は変な気分だったが、とりあえず歩き出した。
音のない世界はとてもおかしかった。自分の声は出るが、廊下にいてもほんのちっともエコーが聞こえない。普通ならもう少し透き通った声になるが、なぜかまるで暗闇にいるような響かない声だった。声がどこかに吸い込まれているような、ものに音が跳ね変わらないかのような。廊下を歩いてもコトンコトンと音がしないし、壁をけってもドン!という音がしない。「音がないと変な気分だな」僕はそうつぶやきながらも進み続けた。

「ヴッ…」僕は地面に倒れこんだ。突然だ。だが、今回は気を失わなかった。だが、そのほうがよかったかもしれない。気持ち悪いのだ、はきそうだ。体はとてもストレスを抱えていて、頭はくらくらとする。手足はうまく動かせなく、震えるばかりだ。頭の中にはこう書いてあった。
「この世界は無限にある、誰一人いない、おかしくなりそうだ」
僕は焦った。どうしようか、いったいどうすればこの気持ち、この気持ち悪さをなくすことができるのだろうかと。僕はとりあえず外に出た。
息を思いっきり吸い、ゆっくり吐くと少しは楽になれた気がした。「僕の体ってこんな副作用があったんだ。それともこれは普通に起こることなのかな」僕は空を見た。「今日も青い、でも実際ではこの世は暗闇に包まれているんだろうな」
その様子を見てある者は薄くやりと笑った。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい