私+君‐私はこれが永遠に続いてほしかった
「私は…」
「とりあえず、この話は忘れて」
君はそのまま立ち上がった。
「それじゃあ、お休み」
そのまま君は家に入っていった。
「…お休み…」私もその場を離れていった。
家に戻ると、私はベッドに入り、目を閉じた。
そこで、思い出した。
「宿題がまだ残ってた!」この宿題を終わらせなかったら怒られるだろう。
私は眠気を払いのけて、慌てて宿題に取り掛かった。
宿題は夜中までやってしまった。
そこまで多くあったわけでもない。
ただ、はかどらなかったのだ。
どうしてかはわからない。だが、どうしてか頭が全く回らないのだった。
「どうしてかな…」私は真夜中の12時ほどにやっと終わり、ベッドに入った。
疲れ果てていて、力も出なかった。
「明日、起きれるかな…」心配だったので、朝の7時と7時5分にアラームをセットした。
その時からもう記憶が途切れていった。
「おい…」近くから誰かの声がした。
眠い…
「起きろって」また声が聞こえてくる。
眠いんだって!まだ寝たい!
「起きろ!」強く叫んできたので、目を開けた。
視界に入ったものは天井と、一人の少年だった。
5歳ほどだろう。「だ…れ?」私は置きお上がって周りを見た。
まだ頭がボーっとしてそこがどこなのかわからない。
私は兎の模様がついたベッドで寝ていて、近くには机があった。
多分勉強用の机だろう。
「俺だ!」その声はどこかで聞いたことがある声だった。
数秒経ってから誰なのかが分かった。「!?」その場がどこなのかもわかった。
私の部屋だった。だが、おかしい。
ここは、私の部屋だが違う。
私の部屋ではあるのだが、私の部屋ではない。
ここは、私が幼稚園のころ居た部屋だ。
あれから模様替えがいろいろあっていろいろと違うが今ならすぐにわかる。
ここが私の部屋だということは。
「なんで!?」私は起き上がると君を見た。
君もいったいどういうことかがわからないようだ。
どう見ても混乱している表情だった。
窓から外を見ると、そこには君の部屋があった。
やはり、君の部屋も私が知っている部屋とは違った。
「そんな部屋だったんだ、昔は」私がぼそりとつぶやくと、君の顔が赤くなった。
向こうの部屋には、壁には熊の壁紙が飾ってあって、地面にはかわいい熊のカーペットが置いてあった。
そして、ベッドは熊の模様があった。
机にも熊のぬいぐるみがある。
「熊が好きだったんだ…」昔の君は全く知らない私はぼそりとつぶやいた。
「そんなことはどうでもいいでしょ!とりあえずはどうやったらここから出れるのかを見つけるぞ」
目の前にいるのは君本人なのか、夢の中にいる君なのかはわからない。訊いたとして、それが真実なのかもわからない。
その答えを導いてくれるのは時間だと信じ、とりあえず待つことにした。
「そういえばあのぬいぐるみ、どうしたの?」私が訊くと、君は机を指さした。
「あそこの反対側にある。壁で見えないだけ」どうやらまだ大事に持っているようだった。
私達はとりあえずその話題を終わらせ、とにかく戻る方法を探し始めた。
だが、そう簡単に見つかるものではなかった。
どう見ても昔の町だったからだ。ところどころ違うように見えたところもあったが、全くその場所を覚えていなかった。
もう一つ気付いたことといえば、君の腕が戻っていたということだ。骨折もしていなかった。
『私は』
「あ!」
『これが永遠に続いてほしかった』