百不思議の小学校‐Zombie Apocalypse(3)
思った通りバナナを向きながら変な顔をした。「試したことはないけど不死身だと思うよ。もう死んでるからね。もしかしたら頭を切ったりどこか死ぬ場所があるかもしれないけど回復するかはわからないね。映画とかでは腕を切ると腕が勝手に動くということがあったから。でもそういうことはあいつに聞いて」バナナを口に入れると後ろを指さした。さっきまでは気が付かなかったが、そこには小さな箱があった。ガレージのようだ。
ドアは普通のドアで、中に入ると研究室だった。そこには試験管を持っていて、白い服を着た研究者が立っていた。「ん?」研究者の横にはコルクボードがかけられていた。そこには写真がたくさん貼ってあった。その中にはゾンビの大群や巨大なゾンビなどが張られてあった。
こっちを向いて歩いてくると顔をじろじろと見てきた。「見たことない顔だね」少し引いてから軽く頷いた。「少し前に初めて来たんだ」すべてを話すと最後まで真剣に聞いてくれた。「そうか、運が良かったのか悪かったのか…とりあえず生きたということでは運がよかったね。もしも運が悪ければ今頃君はゾンビとしてうろうろしていたよ。ゾンビたちは殺しても生き返る。回復をすることはほぼないけどもしも腕を披露ゾンビがいれば話が別だがね、どのゾンビでも腕を振れると元通りに戻る。どこまで遠くにいるゾンビでも落とした腕をゾンビが踏めば戻る、触れば戻る。だが、靴を履いていれば話が別だ。踏まれれば終わり。戻ってくることはない。」シャツの裾を少しめくりあげた。「!」見たもので驚いた。腰らへんには傷跡が残っていた。そこまで深くはないように見えるが、そこからはいやな、殺気のようなものを感じ取れた。
「この通り、僕はゾンビの爪で引っかかれたんだ。だからもう寿命は知事待ってるんだよ。だから死ぬ前に治療法を見つけようと考えてね。この傷も治すことができるかもしれないと思ったんだ」少しは希望があるのかと思ったがため息をついていた。「でもダメだった。この1年間、ずっと調べてきたけど何の手掛かりも得ることはできなかった」そこで声を出してしまった。「一年間!?」ずっと普通に生きていたが何も気が付かなかった。今日だって会社に行き、普通に仕事をして帰った。違ったことといえば息途中も道路が静かだったということだ。そのことはほかの社員も言っていたがそこまで気にすることではないと思っていた。
だが、その時のことを考えていればよかった。1日前までは普通に道路もにぎやかだった。ということはずっと1年間ほど夢を見ていたのかもしれない。今は夢なのかと思い、ほっぺたをひねってみると違うと分かった。
「ということは…」自分の手を眺めていた。何も考えることはできない気がする。「そう、君はこの1年間、どこかで夢を見ていたんだ。君の知らない間にね。しかもその記憶はすべて残っているから夢だとは思えなかった。だが、これが今の現実だ。もうこの世には人間が存在しない。引っかかれるか食べられると終わり、引っかかれると2年ほどでゾンビに変わってしまう。」この世は終わったかのような苦笑いをして続けた。
「この世はもう終わったんだよ」