
拾った女の子は常識知らず‐パックが曲がる(多分)
「容赦はしないぞ」とりあえずはAさんと呼んでおこう。
Aはにやりと笑った。
「こちらこそ」ホノカの目からはめちゃくちゃ余裕を感じ取ることができた。
だが、Aさん(敵)も経験が豊富のようだった。
「それでは…始め」マリナが仕切るとマレットが空中を裂き、パックが飛び回った。
何分経ってもなかなか譲らななかった。
その試合はなかなか終わらずに続いた。
パックは飛び回り、壁を跳ね返りながら試合は続いた。
「疲れた…」マリナがぼそりとつぶやいた。
パックはまだ飛び回っている。
「お前、本気じゃないだろ」Aさんが強くつぶやいた。
「そっちこそ」ホノカがそう言ったとたんにそこの雰囲気が変わった。
ピリピリしていた。「ッ」急な変化に僕たちも驚いた。
パックはさっきよりも確実に速くなっていた。
目が追いつけなくなりそうな速度で回るパックを彼らのマレットが打っていた。
「終わりだ!」Aさんが思いっきりパックを売った。
だが、ホノカは一切の動揺を見せなかった。
「それはどうかな?」ホノカの冷たい笑みは不気味にも見えた。
彼女は少しマレットをずらした。
だが、パックはその角を触れただけで、ほんの少ししか角度が変わらなかった。
しかし、彼女が何かをしたのはAさんの顔を見ればわかる。
額に汗を流して覇をかみしめていたのだから。
その少し曲がったパックはゴールに向かって飛んでいった。
だが、それは角に当たり、跳ね返った。
跳ね返った角度は見ようだった。
まっすぐ後ろに跳ね返ったようだった。
それはホノカが持っていたマレットの真横前で言った。
彼女はそれをすごい速度で打った。
打たれたパックは奇妙な動きをしながら進んだ。
一瞬のことだったので分かりにくかったが、多分曲がっていた。
「!?」Aさんもそれには驚いていた。
マレットはそのままゴールの中に入っていった。
「彼女の勝利!」名前を出すわけにはいかないので、マリナはとりあえず彼女といっておいた。
それを見ていたほかの人たちがたかってきた。「俺とも賞美してくれ!」「俺も!」だが、彼女は一瞬で断った。瞬殺だ。
「どうして彼とはやったの?」気になったマリナがホノカに訊いた。
「だって強そうだったから」彼女は勘だと答えた。
それを聞いて、Aさんも質問してきた。
「俺からも聞くが、殺気のは何だ?曲がっているようにしか見えなかったのだが…」
だが、彼女は一言も言わずに答えた。唇に人差し指をかざしたのだった。
それを見て、彼はどういう意味か分かった。まあ、誰でもわかるだろう。『秘密』ということだ。
僕たちが近くのスーパーに入るとき、ホノカはもう寝ていた。
彼女が小さくてよかったと僕は心の中から思ったのだった。
「とりあえず何かを買ったら帰るか」僕たちはいったい何をしようとしていたのかが分からず、スーパーで食べ物を買って帰ったのだった。
「おーい!」朝起きると、ベランダから誰かの声がしてきた。
お母さんは急用で昨日の夜、どこかに出ていった。
彼女は申し訳層に謝りまくっていたが、別に困ることではなかった。
どちらかというと、めちゃくちゃ謝られるのが困ったほどだった。
「?」僕が寝ぼけながらベランダに行くと、そこにはホノカがいた。
「なんでそこにいるんだよー!」
僕は彼女に玄関から入ってくるよう言いつける羽目になった。
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