私+君‐私はずっと続いてほしいと思った
その手が私に触れたとたん、私は恐怖から解放された。
「ここにいたんだ」
私は嬉しかった
「探したよ。まあここにいるって予想できたけど」
私は君に飛ぶついてしまった。
君はとても驚いていたが、私は気にしなかった。
私は顔を上げると涙が流れいていた。
私は怖かった。
周りから寄せられる視線が。
全員が私をジーッと見ているかのようだった。
もう君からは視線を感じなかった。
「大丈夫だよ」確かに視線を感じた。
だが、それはジーッとみられる恐怖の視線ではなく暖かい視線だった。
君の上でおおわれると、とても安心できる。
私はここに一生居たかった。
だが、そんなことはできるはずがない。
「そろそろ教室に戻ろうか、5時間目が始まるところだよ」
私は怖かった。
君の後ろに隠れて教室まで行った。
「いたッ」君が腕を骨折していることはほぼ完全に忘れてしまっていた。
教室につくと、どうしても離れないよいけなかったのでそわそわしながらも自分の席に座った。
もう周りからは視線を感じなくなったが、まだ警戒してしまった。
警戒が解けたのは5時間目が終わるころで、ほとんどのことは聞いていなかった。
私は君に頼もうとそろそろと寄ると、君は私の頭を読んだ。
「ずっと警戒してたでしょ?ずっと首が左右に動いてたよ」
私は口ごもってしまった。
「僕の家に来たら教えてあげるよ」私はうれしかった。
6時間目は普通に授業をして、他のことは気にせずに終わることができた。
結局君の家に行った。
入るときは少し緊張したが、中に入ると君の親が歓迎してくれた。
「息子がいつもお世話になってます」お父さんのほうはしっかりとしていた。
「こ、こちらこそ」私はこんなことになったことは今までで一度もないのでどう答えたらいいのかわからなかった。
「息子が何かしてませんでしたか?変なこととか」お母さんのほうは少し頼りなさそうだった。
私の顔は少し赤くなったと思う。「へ、変なことって?」お母さんも口ごもってしまった。
その場が少しおかしな空気になった。
君は慌てて私の手を引いて部屋に行こうとした。
その一瞬は幸せだったが、玄関にあった段に足を取られて地面にこけてしまった。
「あぁぁ」君は慌てて私を起こそうとしたが、片手では到底無理だった。
結局私は君のお父さんに起こされて、靴を脱ぐと君の部屋へ連れて行ってもらった。
この家は2階があり、君の部屋はぴったり私の反対側だ。
私は時々窓から君を眺めていた。
ストーカーのようなものだったが。
反対側にある私の部屋を見てから君を見た。
「とりあえずここに座って」彼は椅子を進めてきた。
私がそこに座ると、反対側に君が座った。
ランドセルを開けて物を取り出そうとしていたが、少し苦労していたので私が手伝おうと手を伸ばした。
「引っかかった」君は私の手をつかんだ。
あまりにも瞬間なことだったので私はびっくりした。顔色は説明しなくてもわかるだろう。
「まずはここから始めようか…」私はその時間が一生続けばいいのにと心の中から思った。
だが、時間はいくら願っても同じ速度で進む。止まることはない。
いつかは何でも終わりが存在する。
だが、私からすればこの1時間は1日のように思えた。
『私は』
ちゃんと聞いてる?
『ずっと続いてほしいと思った』