無名小説スライム編(47)
目の前にいる小さな竜は寝たままだった。
「こいつはいつも寝ている」話を聞いてみると、言うままでで起きたことはないらしい。
ずっとここで寝ているが、願ったものは何でも手に入れることができるようだ。
だが、機嫌が悪くなるとかなえてくれないらしい。
ちょうどその時、体に何か異変を感じ取った。
俺は近くに行ってみてみた。
ウロコは黒く、堅そうだ。
「こいつって捕食できるか?」神に訊いてみると、答えはすぐに帰ってきた。
『不可能です。あなたのレベルをはるかに超えています』やっぱりそうだよな…
俺は試しにつついてみた。その許可はもらっている。だが、命の保証はない。
つついてみても、起きる気配はなかった。
どうやら起きる可能性はほぼ0に近いようだ。
とりあえずその部屋は出て行って、違うところに行った。
そこには小さな穴が天井に空いていた。
その穴は本当に小さかった。
「ここから地上まで続いているものだ。だが、穴が小さすぎt類通ることができない」
どういう意味かは分かった。俺のスライムボディはどんな形にでもなれる。
なので、ここでも通ることができるだろうという考えだ。
試してみるしかないか… 俺は針のような細さに体をして、中に入った。
初めは簡単だった。
海水があったからだ。
だが、少し進んでいくと海水が消えた。
なので、重力荏以上があり、普通に浮かび上がることはできなかった。
「ここはやっぱり…」海水に戻ると、ありったけの海水を捕食した。
下に顔を向けると、思いっきり水を噴出した。
地上までこのままいけるだろうという考えだ。
ずっと頂上まで行けて、空中に吹っ飛んだ。
まるで空を飛んでいるかのようだ。
地面に落ちると、跳ねて木にぶつかった。
あの竜と会った時感じた異変がいったい何だったのかすぐにわかった。
それは体が元通りになったということだ。
飛び跳ねたり来とがったり、またいつも通りになって喜んだ。
とりあえずそのことはほっといて、いったいどうやって戻ろうかと考えていた。
翼を作って空に飛び上がったが、あの大きな木は一切見えなかった。
「これは歩かないといけないな…」それから家に帰るまでは、長い時間がたつと予想ができた。
わざと人の姿に変わり、帰ることにした。そのほうが面白いからだ。
冒険は前世の時に夢したことだったからだ。
だが、スライムの姿ではその感じを味わえない。
空腹にはならないし、通学がない。しかも、肺もないので息をしなくていいのだ。
やはり冒険といえばそういうのを乗り越えてやるものだろう。
少し行っていると、小さなスライムがいた。
同じ生き物を倒すのは気が乗らないが、今は人間の姿だ。
どうしてか平気だった。
初めはどこまで強いかのを確認するために、長い棒で遠くからつついてみた。
すると、こっちに襲ってきた。
初めは驚いた。驚いた。
だが、その速度はカメのようだった。
頑張って跳ねてくるが、頑張ってやっと時速200メートルといったところだろうか。
ちょこちょこ歩けば追い抜けそうだった。
だが、うさぎとかめのように余裕を持てば負けてしまう。
一瞬余裕をもって、違う方向を見てしまった。
そして、それは間違いだったようだ。
スライムは思いっきりスライムを飛ばしてきた。
その粘着力は強かった。
もしも普通の人間だったら、結構やばかっただろう。
だが、俺は普通の人間ではない。
スライムだ。
しかも、捕食ができる。
その違う種類のスライムは欲しかった。
なので、普通に飛ばしてきたスライムを捕食した。
勝てないと分かったらしく、スライムはさっきよりもめちゃくちゃ速い速度で逃げていった。
初めからそうしていれば勝てた可能性もあったかもしれない。
だが、そうならなかったのもよかったと思う。
そうなっていれば今がないからだ。
「とりあえず歩くか…」スライムになって転がるのも考えたが、やめておくことにした。
俺はそのまま歩き出した。
「というか、こっちで方向はあってるのか?」
一切行く先はなく。