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「僕たちの目的だ」僕は暗闇の中を見た。「よく来たな、この地獄へ」奥からは声がするが、奥だけに霧が立ち上っていて差異が見えなかった。
『光の魔法、名付けてライトウィンド』横でガーネさんが聞いたことのない魔法を唱えた。急に眼が眩むほどの光が起き、目を閉じてしまった。
目を開けると前に会ったきりは消えていた。その先には大剣を買ついている悪魔のような人のような人物がいた。「ほう、自分で魔法を作る魔法を持っているとはな、弟子にするかいがある」男は笑い、立ち上がった。「気を緩めるな、あいつは見た目よりも強い。まあ見た目からしてもう強いように見えるだろうが」僕はぼそりとつぶやいた。『シャドウボール』シャドウボールをフルスピードで飛ばしてみるとやはり止められた。ただの叫び声で。「は!」彼がそう言っただけでシャドウボールは吹き消され、僕はほんの少しだけ後ろに下がった。「まあこれは予想済み、でも一体どうやったら倒せるだろうか…」僕は目をつぶり、考えていると何かの気配がした。
「そこにいるのであろう、エグレス・カリゲス」僕はその名を聞いて驚いた。「お、お父さん!?」僕は目を丸くした。「どうしてここに?」陰からお父さんが出てきた。
「お前が出てからずっとついてきていたのだろう」男はそのまま1歩前に出た。「ああ、だがお前のところに来ていたとは驚きだ」お父さんは男をじろりと見た。「お前が来ることなどもう知ってあった、貴様たち人間は遠くからでも位置の把握が簡単すぎる、少しは用心することだ」男はそういうとまた前に一歩進んだ。「それではここに来た理由をあててやろう、まあ1つしかないであろう。俺に頼みごとがあるのか俺を殺しにきただ」僕はそう聞き、驚きもしなかった。逆にため息をついた。「それ、2つの考えを言っているじゃないか」あいつは強い。強いがとても馬鹿だ。
「どうでもいいだろ、そんなこと」あいつは僕たちの方向へ歩き出した。「ライトウォール!」ガーネさんが光で壁を作ったが、簡単に破られた。「そんなことしたって無駄だ、あいつは頭が悪いが体力は僕たちよりもはるかに超えている。まともに遣り合えば勝ち目は0%だ」男は自信満々の顔でこっちを向いてきた。5、4、3、2、1」あいつはカウントダウンを始めた。「0」いったい何が起きるかと思いきや、何一つ起きなかった。「と思っただろう!」彼はとても速いスピードで大剣を振り下ろした。「ウォッと」僕はぎりぎりその場から転がりよけた。
「ほう、1発で普通は真っ二つになるのだがな、お前は速い。」僕は大剣が下ろされた場所を見て顔をゆがめた。そこには穴が開いていた。あんなものをまともに食らえば死ぬだろう。「そんなものまともには食らいたくないね」気が付くと、さっきから静かだったサキノさんが消えていた。「いったいどこに…まさか!」僕はあいつがとったのかと思い、あいつを見た。だが、周りには彼女がいなかった。「お前、いったい誰を探しているのだ」男は彼女が消えていることに気が付いていない。というかもしかするとここに来る前からいなかったのかもしれない。「サキノのことなら私が外で待たせた。私が一番信用している人たちを置いておいたので何が起きても大丈夫であろう」僕はほっとしてあいつを見た。「とりあえず質問する、お前はいったい何をしに来たのだ」あいつは笑みを浮かべて僕をにらんで来た。「お前を…」僕はそこで一度声を止めたが、また続けた。
お前を殺しに来た。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい