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あそこにきたいな。
私は心の中で呟いた。
ここに行きたいな。
私は心の中で思う。
だが、そんなことかなうわけがない。
私が願ったことはかなうわけがないことばかりだ。
今、一瞬でアフリカに行きたいなんて馬鹿なことだと私は思う。
その夢も少し諦めかけていた。
私は外に出た。
いつも徹街中を歩いていると、路地に目が入った。
どうしてかはわからないが、目がそこに引かれてしまった。
「何があるんだろうか…」私は恐る恐ると中に入っていった。
いつもなら反対側にまた大通りがあるはずだ。
だが、今回は全く違う場所へ現れた。
確かに大通りだったが、全く違う雰囲気だった。
まるで妖怪の世界だった。
そこには人間など一人もいなくて、代わりに不思議な妖怪などがいた。
「何…この世界…」私は周りを見た。
そこにあるものは不思議なものばかりだった。
一番目に入ったのは一つの店だった。
そこには願いをかなえてくれるものがあるような気がしてたまらなかったのだ。
私は恐る恐ると近寄っていった。
「いらっしゃいませ」一人の男が店の中から現れた。
まるで私が来るのを初めから知っていたかのようだ。
彼は多分男だが、顔は真っ黒で口にはマフラーをつけていた。背は私より抜群に高い。私はどちらかというと、大きいほうだと思っていたのだが、彼は私が大きいという言葉なら巨大だ。
「お望みの商品は何ですか?」私はその男に問いかけられ、無意識に思っていたことを答えた。「どこにでも行きたい」
彼は少しお待ちくださいと店のど真ん中にあった箱に向かっていった。
周りを見てみると、そこは空っぽだった。商品は何一つおいてなくて、おいてあるとしてもそれは店のど真ん中にあるガラスの箱だった。
私が瞬きをすると、箱の中に何かが現れた。「これをどうぞ。これはボタンを押せば、そこのドアがどこでも行けるドアに変わります。ですが、一応注意しておいてください。ほとんどないことですが、風などでドアが閉まったり、何かが閉めたりでもすれば帰り道は消えます。なので、引き戸だということ、それと固定できるということを気にしておいてください。それと、行く先のことも考えてください。ジャングルの中なら、完全に問題です。生き物が入ってくることもあるので。なので、できるだけ細かくいき場所を唱えてください。それでは、どうぞ」長い説明が終わると彼は私にボタンをくれた。
それは壁につけれるボタンで、丸かった。
私は頭を下げると、家に帰った。
まずは使っていない私の物置に進むドアにつけた。
だが、開けても何一つ怒らなかった。
色々いじっていると、使い方が分かった。
ボタンをしてから願い事をすれば、そこに連れて行ってくれるのだ。
私は数日間、それを使って学校に行ったりしていた。
そのおかげで、学校までの道のりを暇暇歩く必要がなくなった。
「そうだ!今日はあいつの誕生日だ」今日は私の幼馴染、浩紀の誕生日だった。
私は彼を祝うためにとりあえずプレゼントを買うと、ドアの前に出た。
ボタンを押すと、新しく変わったことを唱えた。「浩紀のところへ!」
私がドアを開けると、急に吸い込まれていった。ドアはすぐに締まり、その場は静まり返った。
そこで何が起こったのかを説明しよう。
簡単に言えば、彼女が細かく説明しなかったのだ。
ドアはに連れて行かず、に連れて行ったのだった。
広樹というのは山田広樹のこと、世界的に有名な日本人宇宙飛行士だ。
そして、空気がない宇宙へとつなげたので空気が吸い込まれ、彼女ごと吸い込んでしまったのだった。
ドアはその吸い込まれるのに巻き込まれ、強くしまったのだった。