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すごかった。
前世の僕の声だったからだ。
「すごい…」僕ははしゃぎまくった。
そのマスクをとると、元の声に戻った。
僕はお礼を言うと、店を飛び出していった。
ワクワクしたからだ。
めちゃくちゃ。
僕はとりあえず自分の部屋まで一瞬で飛んでいった。
「よっしゃー!」窓からこっそりと部屋に入り、マスクを隠すと僕はめちゃくちゃ喜んだ。
ちょうどそこへ妹が現れた。僕は何もなかったように見せたが、やはり嘘だとばれた。
なので、僕は最終手段を選んだ。違う嘘をすぐ後につくのだ。半分本当のを。
「ちょっと出かけてきただけ」僕は外からこっそりと花を飛ばしてきた。
それを彼女に渡すと、彼女はまんまと引っかかった。
そのまま彼女は出ていったからだ。
僕はためていた緊張感が抜けて地面に崩れ落ちた。
「危なかったー」もう少しで見つかるところだったからだ。
僕はフーっと息を吐いた。
その息はなぜか白くなった。
少しそれはおかしいと思う。
今は真夏のはずだ。一番熱い季節のはずだ。
だが、息は白くなり、目に見えた。
「?」その原因を探ろうと僕は外に出ていった。
ちょうどそこに妹がいた。
「グヘッ」驚きすぎて、飛ぶことを忘れてしまった。
僕は真っ逆さまに落ちて、ふかふかな草の中に突っ込んだ。
「あ、お姉ちゃん!」彼女は慌てて僕のところまで来た。
起き上がった時、僕の周りには黄色い小さくてかわいい鳥と星が見えたと思う。
「大丈夫?」妹は僕を覗き込んできた。
僕は慌てて首を縦に振った。
彼女は怪しく思いつつもうなずいた。
めちゃくちゃ怪しまれたと思う。
「というかどこに行こうとしたの?」彼女の表情かかわった。
さっきまでの心配そうな顔は幻のようだった。
今度はうそをつけそうになかった。
だが、僕がため息をついたとき、彼女の顔色が変わった。
「お姉ちゃん!」彼女は僕の手をつかむと、超高速で走り始めた。
いったいどうしたのかはわからない。だが、何かがおかしいということだけはわかった。
だが、どうしたのかを訊くことはできなかった。
「お父様!」彼女は慌てたようにノックもせず、お父さんの部屋に突っ込んだ。
それを見て、お父さんは少し不機嫌だった。
「何回ノックしてはいれと言ったらわかるんだ」だが、彼女からすればそんな状況じゃなかった。
彼女はめちゃくちゃ早口で話そうとして、舌を噛んでしまった。
「もうよい。ゆっくり話してくれ」お父さんはため息をついて聞いた。
妹は一度深呼吸すると、口を開いた。
「姉が息を白くしました」それを聞くと、お父さんは目の前に一瞬で現れた。
それは瞬間移動じゃない。ただ、高速で動いているだけだ。
「本当だ…」話は勝手に進んでしまった。
僕はいったいどういう意味なのかが分からなかった。
「なあ、我が娘よ」僕は彼を見上げた。
彼の顔は今までで見たことないような顔だった。
まるで僕が何かやばいことをしたかのような顔だった。
僕の背筋が凍った。
「な、何で、しょうか…?」言葉に詰まりながらも僕は訊いた。
いつも僕には優しいお父さんだったので、絶対何かやばい事だろうとは分かっていた。
「魔道具を使ったのか?」
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