普通に生きたい僕であった(63)
サッ 音が聞こえてきた。
僕は透視をやめ、音の下方向を見た。
そこには、一人の男性がいた。
「よ、久しぶりだな。数週間ぶりか?」その男性は知っていた。
シャドウキラーにいた人だ。
彼は一人で現れた。
「何をしに来た」僕は明快したが、どうやら殺意を全く持っていなかったようだ。
「暇で来た」彼は単純に答えた。「は?」僕は首をかしげた。
彼は空中に円を描いた。「暇だからここに来た。それだけだ」
彼は暢気に座り込んだ。「暇だから何かをしたい」
僕はため息をついた。急に侵入されて、何かをしたいといわれても困るからだ。
追い出そうとしたが、何度追い出してもすぐに帰ってくる。
しかも、ドアを開けた痕跡も窓を開けた痕跡もなかった。
「いったいどこから入ってこれるんだよ」僕は彼の考えていることがわからなかった。
別にどんな真実でもわかる小能力を持っているわけでもないからいったいどうやったのかは一切わからない。
「あそこから」彼は普通に壁を指さした。
僕はちんぷんかんぷんだった。
「いやいやいや、壁を通り抜けれるわけないでしょ」だが、彼は普通に通り抜けた。
僕はため息をつき、彼を見た。「まあ仕方ないか、それなら少しだけゲームをしよう」
だが、そのゲームは少しじゃ終わらないゲームになるのだった。
「ゲームね、面白そうじゃない」後ろから少女の声がしてきた。
「ゲームか、面白そう!」真上から違う少女の声がしてきた。
「僕も参加希望」今度は少年の声がしてきた。
その後どんどん人が集まってきた。
全員名前を知らないが、知り合いだった。
「仕方ないか…」僕は駒を人数分用意した。
一つ一つ同じ形だが、違う色だ。
これを見魔の前に置くと、あることが分かった。
ここにいる人たちは全員馬鹿だ。
誰もが好きな色で争っている。
僕はそれを見ていて家が壊れると思ったので勝手に空間を作り、その中に全員を帆織り込んだ。
「後は決めるまで勝手にしろ」僕はどれでもよかったので最後に残ったのをとるつもりだった。
駒を壊すものもいるだろうと思い、駒は絶対に壊れないようにしたはずだが、あのシャドウキラーから来た男が一つ追ってしまった。
僕はいったいどうやったのかわからなかったが、仕方なくもう一つ作った。
1時間後…
まだ争いは続いていた。
ずっと取り合いが続き、終わらなかった。
その中にはどれでもいいというものもいて、残りの数人が残っていた。
「もう違う形を作ればいいだろ」僕は船や猫、犬や車などの違う形を作った。
だが、それでも争いは続いた。
どうやら今度はどの形を使うかで争いが始まってしまったようだ。
この争いも数時間ほどかかると予測した僕はもうランダムにしようと思った。
「これで決められた人は文句を言うなよ」僕は超能力を使われないように守りながらルーレットを回した。
それで充てられた駒は完全にランダムだったが、あまりにもランダムすぎておかしな空間になってしまった。
どうしてかはわからない。
ゲームは簡単だ。
すごろくで、駒を回して当たったマスだけ進める。
だが、そこに書いてあるペナルティが本当に起こるという、リアルのすごろくだ。
全てのマスにはペナルティがあるので問題だろう。
ペナルティは終わらないと次のターンがもらえず、パスされることだってある。
さいころは、ついさっき、一瞬でお父さんに伝えて超能力を使えないすごろくを作ってもらった。
色々とめんどくさい作業だったが、最後には面白いものを遊べるだろうと思ったからだ。
僕はすごろくのボードづくりを始めた。
これは楽しく遊びためにはずるをしないでほしいと僕はあらかじめ説明しておいた。
ボードにまず、マス目を入れるとその中にペナルティをランダムに入れていった。
全員の前にボードを置くとゲームの始まりだ。