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『火作』突然横から声が聞こえてきた。
ボッ それにつられて何かが燃える音も聞こえてきた。
「え?」僕は声がした方向を見た。「へへへ」そこには一人の少年がいた。「いったいどうやって…」僕は目を丸くした。僕月売り出した魔法を彼は1度聞いただけで活用したのだ。しかも聞いたのは声だけ、火の作り方など声に出していなかった。
「簡単だよ、炎とは火専用の人のみが作れるもの、でもこの火作はどの魔法使いでもコツをつかめばできる、僕はただ1度でつかんだだけだよ。運がよかったねー」彼はまるで運がよかったかのように言っていたが、全く違った。これは運なんかで発動できるものではない。僕はわざと時間をかけないとコツをつかめないように改造したのだ。それを簡単に解いたのは運ではない、まさしく実力だ。
「いったい何者」僕はまっすぐ彼の目を見た。「それは伝えられないよ。それじゃあまたね、火作」彼は1度しか使ったことない火作をマスターしていた。「…」僕で作り上げた火で飛んでいく彼を眺めながら僕はため息をついた。「僕が作ったのに…彼の方がうまくなってるし」僕がショックを受けていると、ガーネさんがボ腕をつかんで歩き出した。「行ーくーわーよ」僕は空を眺めたまま引きずられていった。

「はー、」僕はまだため息をついていた。「まだあのことで悩んでるの?」ガーネさんはあきれた目で僕を見てきた。「いや、ここら辺には嫌な空気が漂ってるなって思ってただけだよ」僕は地面を見下ろした。「やっぱりね」僕はにやりと笑い、ダークネスソードを取り出し地面に差し込んだ。
すると、下から奇妙な叫び声が聞こえてきた。「やっぱりね、ここら辺の地面には変な魔力が漂ってると思った」僕はブラックアイを使っていた。
少しすると、地面から芋虫が出てきた。だが、芋虫は僕が100人は入りそうなほどだった。「こいつか」僕はダークネスソードを突き立てた。「弱そうだな」僕はダークネスソードを一振りすると、その芋虫は真っ二つに切れた。「まあこんなもん…っては!?」2つにわかれた芋虫は再生し、今度は2つの芋虫がかかってきた。「ライトボール」ガーネさんが1体の芋虫を木っ端みじんにした。しかし、小さいのがうようよと出てきてしまった。「こりゃあきりがない、逃げるぞ!」僕たちは全速力で走った。
だが、「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」彼女が疲れてき始めた。「仕方ないか…」僕は彼女をおんぶし、全速力で走った。「もうだめだ―、でもたぶん逃げ切れただろうね」僕は地面に倒れこんだ。
「よかった」ガーネさんは地面に座り、汗をふき取った。「というかここって…」そこは周りが完全に死んでいる場所だった。悪が住んでいるところといってもおかしくないと思う。
「まさかここって…」僕たちの前には大きなタワーがあった。「うん、そうだ。こここそが…」僕は見上げた。
あいつの住んでいる場所だ。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい