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「行け!お前ら!絶対に行かせるな!」すると、地面から巨人のような魔物が何体も現れた。
「グヲー!」
だが、僕の視界には入らなかった。
視界に入ったのは粉になった巨人だけだった。
「!?」茫然と立つ魔物の前で巨人たちは粉へと変わってしまった。
僕はたった一つ見える光に向かって歩き続けた。
それが何かはさっぱりわからない。
だが、魅力的だということはわかる。
ますます魔物は焦り始めた。
「どうすれば………ハ!」何かを思いついたらしく、忍び足で僕に向かって歩いてきた。
魔物は身長が小さかったので、僕も気付くのが数ミリ秒遅かったようだ。
魔物は僕の魔法よりも早く足に触れた。
気が付くと周りは赤黒い場所だった。
多分お父さんに言われた魔界という奴だろう。
「確か…」お父さんに言われたことを思い出した。
いいな、絶対にあそこへは行くな。地の底にあるのだが、そこに行って戻ってきたものはいない。帰らぬ者となる、いわゆる地獄だ。
だが、それを聞いていたので僕は出方が普通にわかった。
「上へ行けばいいのか。」だが、上に行っても上に行っても天井はずっと続いていた。
まるでめちゃくちゃ分厚いかのようだ。
そのころ、地面と思われるところではあの魔物がにやりと笑っていた。
「あらら、あいつは気づいていないようだな…」魔物は僕の登っていったと思われるところを見上げた。
「今は地面の中に潜っているということを」
その時は気付かなかったが、この世界は元の世界と重力が真逆だった。
僕は今、気づかずに地球の中心へと近づいちえたのだった。
だが、一応気づいた。
だが、それは地球の中心を突き破って地球の反対側から現れた時だった。

「あいつ、どこまで行く気なんだ?」あの魔物まで気になるほど進んだのだった。

「ここは…。」周りを見ると、そこはさっきと同じ地上だった。
だが、上を見ると魔物がいた。
たくさんの、魔物だ。
だが、僕に気づいた魔物は1匹(と呼んでいいのか?)もいなかった。
「ということは…」僕は魔物たちに見つかるよりも早くさっき出てきた穴に飛び込んだ。
今度は結構怖かった。そりゃあ、地面がどこにあるのかもわからないのにめちゃくちゃ速い速度で落ちているのだ。
いつ死んでもおかしくない。

そう思ったこともありました。

さっきまで飛んでいたので、何も感じなかった。
だが、飛び込むつもりで解除した瞬間に、魔物たちのいる方向へと真っ逆さまに落ちていった。
ギャー! 声に出せば墜落前に見つかるので、心の中だけで悲鳴を上げた。
だが、魔法をかける速度に落下速度が買ってしまい、地面に墜落してしまった。
最後の最後に魔法が成功したので転落死は避けることができた。
だが、問題はそこじゃなかった。
問題だったのはその後に起こったことだった。
僕は魔物たちと目があい、少しの間沈黙状態だった。
だが、数秒後には腕を頑丈な耐火ロープで腕を縛られ、どこかに連れていかれた。
ここで騒ぎを起こせばみたいなめんどくさいことになりそうなので、最後の最後まではおとなしくして置いた。
だが、牢屋に入れられた時はおとなしくはしなかった。
壁をめちゃくちゃにしまくったのだった。
少し苔が生えていたので、その苔をボールにして牢の外に転がしておいた。
すると、思った通りのことが起こった。

見回りに来た魔物がそれに転び、頭を打って気絶してしまった。
だが、別に脱出する気もなかった。
そうしたくても今の服装では難しいからだ。
長いスカートにハイヒール、めんどくさい。
脱ぎ捨てたいが、地上に戻ったときに怒られるのはもうこりごりだ。
「とりあえず様子を見るか…」その後に起こったことは僕が腹を抱えて笑うことになるのだった。