普通に生きたい僕であった(38)
「!?」僕が突然倒れたのを見て小見と市川さんは慌てて近づいてきた。「息は…しているね」混みは僕の首に指をあてていった。多分アニメかドラマで見たのだろう。
「それじゃあ運ばないと…」すると、古見は市川さんを見た。「それじゃあ運んでくれる?」彼女は目を丸くした。「古見さんが運んだほうがいいと思う…」古見は薄く首を振った。「いや、市川さんが運んだほうがいいよ走ったほうがいいし僕じゃダメだろうから。体力がないし市川さんが運んだほうが彼も喜ぶと思うよ」古見さんは初め、意味を分かっていなかったがわかると顔を赤くしていた。「いやいやいや、そういう感じゃないと思う…」古見はにやりとしたが、何も言わなかった。
彼女は僕を背中に乗せると歩き出した。「まあ保健室に連れて行こうか」市川さんがうなずくと、2人はそのまま保健室へ歩き出した。
「失礼しましたー」2人は保健室に僕を置いたままその場を離れた。
「んン…」僕は気が付くと、どこかのベッドに寝転がっていた。起きてからすぐに言うのもなにだが、僕は眠たくなってきた。だからベッドから転げ落ち、顔を洗った。僕は起きた寸前だったので自分の超能力のことを忘れていた。僕は目が覚め、周りを見ると保健室にいた。だからすぐ、いったいどこに顔を洗う場所があるのかがわかったのだ。僕は気配を探したが、この保健室には誰もいないと思う。
「いったい何が起きたんだっけ?」僕は思い出そうとしたが超能力も途切れていて思い出すことができなかった。「まあとりあえずここから出るか」僕はドアのほうに向かった。
「あれ?」ドアを開けようとしたとき、なぜかノブが動かなかった。「あれ?」動かそうとしたが、いくら力を入れても動かなかった。「おかしいな」僕はテレポートでその場を出てみると、やはり何もかもがおかしかった。昔にも同じことが起きことがある気がした。周りは完全に音がなく、風も吹いていない。どのドアも鍵がかかっているかのように動かなかった。ちょうど生徒を見つけた時にはその理由が一瞬で分かった。時間を止める超能力がまた暴走したのだ。数年前と同じで。
「これを始めるには…」僕は超能力で時間を開始しようとしたが、なぜか動かなった。「そ、そんな…」体の超能力本能が拒否しているのだった。何かがあって。それは感じ取れる。
「これはどうやって始めればいいんだ…この感じだと勝手に進むとは考えれない。前のように」僕はガラスを殴った。どうせ僕は痛みを感じないしガラスは壊れない。「それじゃあ…」僕は自分の教室へと戻った。そこまでは扉がないので簡単に行くことができた。「やっぱり」僕はそこにはたくさんの人が座っていたり立っていたりしていたが、一人も動いていなかった。この世で動いているのは僕だけかもしれない。
「いったいどうしたら…」僕はしょんぼりとした。ちょうどその時、「おい」誰かが僕の肩を触った。「ヒャ!」僕はその場から飛びのいた。「これはどうなってるんだ」そこには新説がいた。「あれ?」彼は普通に立っていた。止まらずに。「まさか超能力が暴走したんじゃないだろうな、まあ仕方ないか」彼は後ろを見た。「とりあえず、この状態をどうにかするぞ」彼の後ろには数人がいた。「は、承知しました」「お前も手伝ってくれるよな、こんな状況なのだから」彼は一つの方向に向いた。
はー、仕方ありませんね、手伝いましょう。今回だけは。