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数分かけて見失うことができたが、今度は違う問題が現れた。
帰れなくなってしまったのだ。
森には一つ大きな問題があった。
どこを見ても同じに見えるということだ。
「何は戻る方法はある?」俺はソウルに訊いた。
ほとんどの時はウザいが、役に立つのは立つ。
『飛行をつかえばいいのでは?』俺はそれを聞くと、思い出した。
洞窟の中で手に入れた方法だ。だが、問題といえば操作が不安定なのだ。
「他には?」俺がほかの提案を聞くと、ソウルは真声で答えた。
『デーモンクラウドに変わればいいですよね』その考えは天才だった。デーモンクラウドならなぜか自由自在に操れて、操れて、何もおかしくなかった。
問題があるとすればソウルだ。なぜか少し不機嫌そうにしていた。声から分かる。
「どうしたんだ?」訊いたが、『なんでもありません』といわれるだけだった。
俺は少し困ったが、とりあえず忘れることにした。とりあえず戻るのが初めのタスクだ。

「どこに行ったのでしょうか…」暗闇狼ダークウルフは少し困っていた。
「まあ、すぐに変えてくると思うよ」ホノは全く気にしていない様子だった。
まるで何かを知っているかのようだった。
数分後には原っぱで日向ぼっこをしていた。
「いい天気だね~」ホノは気持ちよさそうに目を閉じていた。
暗闇狼ダークウルフは心配そうに寝ころんでいた。
「大丈夫だって、帰ってくるよ」いったいどこからその根拠が現れるのはかわからないが、彼女は自信たっぷりだった。
「そうですか…」それを聞いても暗闇狼ダークウルフは心配性だった。
少しすると、遠くから何かが飛んできた。
何か白いものだった。
いったい何なのかはわからないが、目を凝らしてみると何かが分かった。
「デーモンクラウド!」暗闇狼ダークウルフが先に気づいたようだ。
暗闇狼ダークウルフが攻撃しようとしたが、それをホノが止めた。
「待って、あれ、おかしくない?」それを聞き、暗闇狼ダークウルフは見直した。
おかしいところは別になかった。だが、あるとすれば一つだった。
「団体行動していない…」それを聞き、彼女は頷いた。
これは確実におかしいことだった。
必ずデーモンクラウドは団体行動をするのだ。
だが、このデーモンクラウドは団体行動をしていない。
すると、デーモンクラウドがこっちに近づいてきた。
目の前まで来ると、スライムに変わった。
「帰ってこれた~!!!」スライムに戻ると、暗闇狼ダークウルフに飛びついた。
どうやらずっと帰り道を探していたようだ。
「まさか…どのぐらい探してたの?」ホノが訊くと、1時間ほどといっていた。
だが、2人はたったの30分しかやっていない。
「でもまだ30分ほどしかたってい兄よ?」どうやらデーモンクラウドは時間の進み感覚がおかしいようだ。
だが、そんなことは関係なかった。関係したことは帰ってこれたということだった。

10分前…
俺は森の真上を飛び回っていた。
どっちを見ても森ばかりだ。
いったいどこまで走って来たのかを覚えていない。
いったいどこにあるんだよー!村は! もう30分以上探していたのに、見つからなかった。
「どこにあるんだー!!!!」俺は空にめがけて思いっきり叫んだ。
口から言葉が出なかったが。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl目標1000フォロワー・わがままだけど欲しい