百不思議の小学校‐Zombie Apocalypse(5)
真後ろには巨大なカラスがいる。逃げようにも逃げることは不可能だろう。後ろを見ることはよして前を見続けた。後ろから物音が聞こえてくる。動かないのが一番だ。なのに後ろを見たくなる。いったいカラスが何をしているのかを知りたい。後ろを見てしまった。そこにはカラスの顔が見えた。「ㇶッ」カラスは真っ赤な目で見てくる。だが、攻撃してくる様子はない。
今だ! 逃げると判断した。全速力で走っていった。が、カラスは簡単に追いついてしまった。カラスは舞い降りてきて足で肩をつかまれた。
「やー!」もがいたが完全に無意味だった。空に舞い上がるとどんどん遠くに行った。
「あいつが飛んでいったぞ…」遠くで見ていたほかの人は茫然と見てしまった。
その横ではバナナをくちに突っ込んだままため息をついた。「あいつはもう駄目だ、あきらめよう。連れていかれたらその後には死しか存在しない。もうどうすることもできないんだよ。退散!」残りの人たちはガレージの中に入っていった。
「助けてー!」いくら叫んでも助けは来ない。来るはずがない。もう山の上だ。今落とされれば死確定というわけではないが痛い目にあうだろう。本当に起これば死んだほうがましだと思った。
もがこうとしたが、カラスの目が合った。その目が言っていることはわかった。『もがけば落とす。死にたくなければ静かにしていろ』もう逃げる方法はない。仕方なく連れていかれた。
少し時間がたつと森の反対側に出てきた。そこは死んでいる。死の地と呼べそうなところだ。昔までは森だったのだろう。気がたくさん立っていた。
違ったところといえばもう生きた木が存在しないということだ。すべて葉をなくし、朽ちてしまっている。「これはひどいな…」地面を見ると土も灰色になっていて、草は1本も生えてなかった。
この場は口れている。昔では緑の散った場所だったのかもしれない。だが、今では灰色で染まった場所だ。生き物がいる気配はしなかった。
カラスは飛び続けた。いつ止まるのかはわからない。だが、分かることは一つだけ、逃がしてはくれないということだ。下を見ていると一つの気が現れた。
その木は緑に染まっていた。周りを見てもそんな気は存在しない。ほかの木よりは大きく見えた。これだけが生きているように見えた。本当に、生きていた。
カラスは舞い降り始めた。地面にたどり着くと飛んでいった。逃げようとしたが逃げる方向がわからずに戸惑っていた。『よく来た』どこからか声が聞こえてきた。
『お前は生きているな』もう一度声が聞こえてきた。今度はどこから来たのかは分かった。木の方向からだ。「え?」それから数秒後、気がきしみ始めた。
この木は本当に生きていたのだった。だんだんと表面の形が変わり、顔が浮き上がってきた。『それではよろしく頼む』
何も言う暇がなかった。そんなことを言う前に地面が消えた。そしてその中へと落ちていった。
「助けてー!!」