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「へ?」私は恐る恐る後ろを向いた。
彼女はにっこりして、私を見てきた。
いつもな淡々としている彼女がこんな顔をすると、逆に怖い。
「待ってね♪」彼女はそのまま私の手を引いて出た。
私はそれにつられて外に出てしまった。
隠れることもできなかったので、仕方なくついて行った。
彼は私がついてきたことに、一切の疑問を抱いていなかった。
そのまま二人は向こうに歩いていった。
彼女は普通にくっついていた。しかも、それに全く彼は動揺していなかったのだ。
「…」気不味かttナオでその中で後ろからついて行っている私だ。
逃げようにも、多分追いつかれるだろう。
彼女は一応運動抜群少女でもある。
2人はそのままショッピングモールの中へと入っていった。
後で考えてみれば、この状況は彼女に彼が付き添っていて、私は不審者のように見えたかもしれない。
2人が入っていくのを見て、それがチャンスだと思ってその場を立ち去った。
それは普通にうまくいった。
多分、私は必要ないだろうと思ったからだ。
そのまま家に帰っていると、後ろから視線を感じた。
気にせずに進んでいたが、やはり視線を感じる。
私はそのまま足を速めると、今度は足とが聞こえてき始めた。
私は避けようと、小道に入った。
それは普通に、馬鹿な考えだっただろう。
急に誰かが後ろから襲いかけてきて、私を取り押さえた。
「キャン!」私はまたもや奇妙な声を出してしまった。
すると、後ろから声が聞こえてきた。低い声だ。男だろう。
「何か人間に化けた犬を捕まえました」それを聞いて、私は顔を赤くしつつ、吹き出してしまった。
後ろを見てみると、そこには大きな男がいた。
彼は私が向いているのを気づくと、ポケットから仮面を取り出すと、それをつけた。
「いや、今つけても遅いでしょ」しかも、その仮面は口までしかなく、目は全く隠せていなかった。
結構役に立たない奴だ。
「というかそのトランシーバー、本物?」
私は一つの方法を選んだのだ。彼を笑いものにして、待つことにした。
「いや、これは本物だ」確かにトランシーバーの中から声は聞こえてきた。
というか、まず、彼らは全く怖そうにも見えなかった。
普通に体の大きなおじさんにしか感じ取れなかったのだ。まだ何もされていないからだろうか。
「とりあえずこっちにこい」彼は私の腕を後ろでつかんだまま、どこかに連れていった。
夕方なので時間は普通にある。宿題はあとでできるだろう。
「これに乗れ」私は自動車に乗せられると、後ろで手首を結ばれた。
私は後ろに乗ると、車は走り出し、たったの5分で到着した。
しかも、そこはどこかが分かった。家から数分車で行けばある、大きな箱の建物だ。
中には何もない。ただの箱だ。どうして取り壊されていないのかがわからない。
私はその中に入れられると、そのまま彼は出ていった。
私はそこにちょこんと座って、ボーっと出ていった方向を見ていた。
それは怖かったから見ていたというわけではない。別に出ていこうと思えば出ることができる。
なぜかというと、彼は足を結んでいないし、手首を結んだ紐は簡単に外すことができるからだ。
本当の誘拐なのかがわからない。
「これって大丈夫なの?」私は彼の誘拐能力が心配になって来た。

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl @コメント/返信99.9%