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僕は今、あることに巻き込まれてしまった。
何年ぶりだろうか。
「に、し、し。何万の金貨をゲットできるだろうかな」「あ」
だが、別に困ることでもない。
出たいときはいつでも出ていくことが可能だが、こういうのは久しぶりだったので楽しかった。
「ね、ね」僕は一人の男に呼び掛けた。「何だ?黙ってろ」彼は不吉な目を向けてきたが、まったく気にしなかった。
あんな目はダンジョンの魔物で死ぬほど見たからだ。
初めは怖かったが、だんだんと慣れていった。
「僕で何をするの?気になる~!」僕は目を光らせて訊いた。
気になって仕方なかったからだ。
だが、そこにいた数人の男はなぜか動揺していた。
「間違えたやつを捕まえたかもな…」その中でリーダーに見える人がため息をついた。
とりあえずブロッコリーと呼ぼう。
「お前がどうなるかは教えるわけないだろ」僕はそれを聞き、頬を膨らませた。
「とっといて教えないってどういうこと!教えてー!」僕はめちゃくちゃにわめいた。
多分路地外にも聞こえたかもしれないが、僕はそんなこと、気づくわけがない。
「教えるしかないのか?」一人が慌ててブロッコリーに訊いた。
だが、もう一人が僕に指を向けると、何か呪文を唱えた。
途端に自分の声が聞こえなくなった。
というか、口が動かなくなった。
何の魔法だ? 少し考えてみたが、口を触ってみるとすぐに何が起こったのかが分かった。
改善方法は簡単だ。
口を邪魔している何かを取り外すだけだ。
腕と足を縛られていても簡単だった。
どうやら彼の魔法は空気を固める魔法だったようだ。
「へー、いい魔法だね~」透明な壁を目の前に持ってきていろいろとおいじってみた。
本当の手は縛られていたので、そこら辺のガラクタを集めて手を作った。
「何だ!?こいつ」全員驚いていた。
「誰って…個々の王女だけど」僕はきょとんとした。
「それはわかってる!だから捕まえたんだろうが!」僕は納得いく理由が来て頷いた。
「なるほど、だから捕まえたのか。うん!賢い!」そこにいた男たちは茫然と立ちすくんでいた。
「こ、こいつはいらん。ほかのやつらを探すぞ」どうしてかはわからないが、彼らはそのまま走っていこうとした。
その時、僕の線が切れた。
彼らが出ようとした路地に壁が現れた。といっても見える壁ではない。
空気を詰め込んだ壁だ。
「誰が行くって?」彼らが恐る恐る後ろを見るとそこには僕がいた。
砂のようになったロープが地面に落ちていた。
「楽しませてくれるかと思ったけど…違うのかな?」それを聞き、彼らは目を震わせた。
逃げようとしても無駄だった。
あの空気を固めれる奴が上に向かって逃げていこうとしたが、上にはもう壁が存在した。
「さてと、何をしてくれるの?」私は彼らをぎろりと見た。
彼らの顔から色が完全に消えて、悲鳴か違うのかわからないような叫び声を上げた。
いくら逃げようとしても無駄だ。
「助けてくれー!」彼らは透明の壁をどんどんとたたいたが、空気ぎゅうぎゅうに詰められたうえ、固められている。壊せるはずがない。
「さてと、楽しもうか」そん時、なんでか僕の目が真っ赤に光っていた。
路地だったので、顔が紙で見えなくなっていた。
「ギャー!」その日名らしき叫び声が彼らの最後だった。

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