私は心の中で恐怖を感じた。
ここにはほかに誰かいる。しかもただ者ではない。
私は動けなかった。
『だってここって夢だもの』
声が聞こえてくる方向を見たが、誰一人いなかった。
「?」私は気のせいかと思ったが、また後ろから声がしてきた。
『痛みなんて夢の中では感じ取ることが不可能だよ』
声は聞こえてくるが、男性なのか女性なのかわからなかった。
彼もいったい何が起こっているのかわかっていなかった。
「誰」私は空中にめがけて訊いた。その方向からフッと、笑い声が聞こえてきた。
私はむっとしたが、表には表さなかった。
『名乗るものではない』今度は声が頭の中から聞こえてくるかのようだった。
どこから聞こえるのかもわからない。テレパシーのようだ。
『一つだけ言わせてほしい』その人かもわからない人物は言った。
私は黙ったまま聞いていると、一言だけ聞こえてきた。
『明日、絶対に学校に行くな』私は驚いた。
「どういうこと」私は訊き返した。
だが、もう返事は帰ってこなかった。
「どうしてだろうか」君は頭をかしげていた。
私たちは少しの間会話を続けていると、だんだんと暗くなっていった。
普通に太陽が沈んでいく速さではない。もっと速い。
暗くなっていくと、視界もなくなっていった。
私は君と手を握っていた。
その時はどういう意味なのか分かっていなかった。
気が付くと、ベッドに寝転がっていた。
「?」私は自分の手を見て、首をかしげた。
最後に何かをしたような… だが、思い出すことはできなかった。
だが、その日は学校に行こうかと迷った。
あの夢のことを思い出したからだ。
すると、携帯から通知音が聞こえてきた。
『あの夢のこと、覚えてる?」どうやらあれは単なる夢ではなかったようだ。
『うん』私は送信ボタンを押すと、1秒もたたずに返事が来た。
『学校、どうする?』私は少し考えてから答えた。
『わからない』すると、彼から思いにもよらないメッセージが来た。
『僕は行くつもり、今、家の前にいるよ』私は慌てて外を見ると、君が家の前に立っていた。
携帯を手に持って。
私は慌てて画面に表示してあるキーボードで入力した。『なんで家の前にいるの!?不審者かと思われてもおかしくないよ!』
外を見ると、君は笑いをこらえているのが見えた。
『いや、普通にいるでしょ、突っ立ってる人。それで、どうする?学校』私は考えて答えた。
『行く』忠告はされたが、それだけが理由で学校を休むわけにはいかない。
私は君と一緒に学校へ歩いて行った。
だが、その後にはいうことを聞いていればよかったと後悔する羽目になったのだℒ
学校では普通に過ごした。
私は普通に過ごして、もう少しで忘れるところだった。
もう少しで。
その後は、おかしなことしか起こらなかった。
初めから説明しよう。
初めのは一番おかしくなかった。
ただ…おかしかったが、最後の寄りはおかしくなかったのだ。
私は、少しずつおかしいことに気づいていった。
一番初めにおかしかったことはこれだ。
私が学校の廊下を歩いていると、理科倉庫から物音が聞こえてきた。
ドアは閉まっていたので誰かがいるはずない。
ドアを開けてみると、そこには…
小さな人が立っていた。