無名小説スライム編(38)
「まじで作りやがった…」瘋癲は深くため息をついた。
ホノは中を見ると、目を輝かせた。
「すごい…」中を見回ると、階段を駆け上っていった。
瘋癲は仕方なく中に入っていった。
「というかドアはないのか?」俺は頷いた。
どうせいらないからだ。「いやー、さっき食べたドラゴンがこんなスキルをくれてさー」急に瘋癲が後ろに下がった。
「『殺気』だ」俺はにやりとした。やはり新しいスキルというのは面白いものだ。
ちょうどそこへ暗闇狼が現れた。その近くには大量の暗闇狼がいた。
だが、いつも一緒にいる暗闇狼との見分けはつく。目の前にいるからだ。
しかも、他の暗闇狼とは見た目がめちゃくちゃ違う。
「そういえば暗闇狼」俺は暗闇狼を見上げた。
やはり俺が頑張ればぎりぎり作れそうなほどの大きさだった。
結構大きい。
「名前って上げたことはあったか?」暗闇狼は首を振った。
「そんなことはありません」俺はとりあえず考えた。
暗闇の狼…暗闇狼… いいのを思いついた。
「それなら闇狼っていうのはどうだ?」暗闇狼は気に入ったらしく、遠吠えをした。
すると、闇狼の見た目がみるみると変わっていった。
殺気よりも大きくなったのだ。大体1.5倍ほどだ。
だが、尻尾が何本にも代わってもっとふかふかになった。
俺は耐えることができず、人間の姿に変わると尻尾に飛びついた。
人間の姿に変わってもまだ大きかった。今までは同じ大きさだったのに。
「ふかふか~」すると、上の階から誰かが飛び降りてきた。
ホノだった。
「ふかふか!?」どうやらその言葉を地獄耳で聞き取り、飛び降りてきたようだ。
そのせいで地面に穴ができてしまった。
俺がせっせと整理している間にホノは闇狼の尻尾に顔を突っ込んでいた。
息ができているのかもわからない。
「とりあえず、ウルフの部屋はもう少し大きくしないといけないな」俺は本来は闇狼の部屋だった部屋に行った。
壁を削ると、横の部屋が現れた。
部屋を二つ使えば大丈夫だろう。
隣の部屋はとりあえず作った部屋だったので、そこを使った。
「これでいいかな?」俺は闇狼が入れる大きさにドアを少し改造して入れてみた。
気に入ったらしく、空いていたアドから差し込む太陽の下で日向ぼっこをし始めた。
俺はホノを連れてもう1階上に行った。
「というかついてこなくていいんだよ?さっきの階に瘋癲のはあるんだし」すると、彼女の目はカッと細くなった。
「いいや、そういうわけにはいかない。変なことをするかもしれないから」彼女は真剣な顔で言った。
「俺は何者だと思われてるんだ!」彼はすぐに答えを返してきた。
「どんなものでも、召喚して…」「ぅッ…」俺の心に突き刺さった。
「森のど真ん中に巨大な気を作って…」またもや突き刺さった。
「気軽に捕食して…」俺は地面に跪いた。「も、もうだ…」
「やばくておかしなスライムだ」俺は前に倒れてしまった。
とどめを刺されてしまったのだった。
「あ、やりすぎたか…」彼は近くにあった部屋まで俺を引きずっていった。
「ったー!」俺は起きると背中にチクチクを感じてしまった。