シャドウキラー(8)
デリルガの視点
「ここか。」俺は目的地のにつき、近くの屋根から様子を見降ろした。
「ってか本当にここか?」もう一度地図を見たが、何度見ても地図ではあっている。
そこへ、1つの声が聞こえてきた。「お前、マジで地図も読めないのか?太陽は東から出て西に落ちるだろ。」
その声の持ち主は俺のライバル(彼の言い方では友達。なぜか)だ。
「そうだったか?」俺は地図をじっと見ながら聞いた。「お前、正気か?」
彼の声からして、彼は俺のことを完全にあきれていた。
「まあそのことはいい。今太陽はここにある。これは昇り途中だ。」
「ほー、そうなのか」「人の話を聞け!」彼は声を張り上げていた。
「ごめんごめん。」僕はとりあえず謝ったが、その適当さを彼は簡単に見破った。
「お前なー、とりあえず謝ったらいいってもんじゃないんだよ!この世界は!」
「ほめんなさーい…」彼の叫びに押され、僕(びっくりしすぎて自分のことを俺と呼んでいたことも忘れた)はしょぼんと謝った。
「あ、ああ…」急に変わった俺に対して彼は一瞬だけ言葉を失っていた。
「おーい、大丈夫かー。」俺はボッとしている彼をつついていた。
「んー、」彼は声だけ出して、背伸びしていた。多分体を昇へ引き延ばしているのだろう。
「大丈夫か?」すると、彼は顔だけをこっちに向けて、答えた。
「はい。大丈夫でございます。」「大丈夫じゃないでしょうが!」
一応5分ほどたつと、彼は戻った。
「それじゃあこの地図は上が北になっている。だから、北を向けばいい。」一息吸うと、長い文を一言で終わらした。
「だから太陽が北から…じゃなくて南から…じゃなくて東から出て西に入っていくから、今は太陽は上り途中だということで、その方向が東ということはその横の北の方に向けたらいいんだ。」彼は大きく息を吐き、吸った。
「そういうことか。ということは…」俺は俺が北だと思った方に地図を向けた。「違う!それは東!」彼は声をあげて叫んできた。まるで耳が鳴りそうなほどの大きさだ。
「へ?」僕は彼を見たが、慌てて反対側に回した。
「ということは、あ…」俺はあることを知った。
「目的地と全く反対側に来てた!」
「お前、本当に馬鹿なんだな。」彼はあきれながらあきれていた。
「それじゃあ行くか。」「どこへ?」「お前の本当目的地だ!」「ああそうだった。それじゃあ行くか。」
俺は屋根を伝って駆け出した。
「お前!地図の方向を変えるな!ずっと北にするのが地図だ!」
彼に怒られながらも。