オーシャン・シー❚東京スカイツリー
海底に沈んでいる服はもう使い物にならない。
いくら何でもびしょぬれで、海の水がしみ込んでいるだろう。
「まあ、見てみるのに間違えたことはないだろう」僕たちはそのまま地下に潜っていった。
スーパーマーケットとかから持ってくるつもりだったが、すべて布でできていて、使い物になりそうになかった。
だが、違うものが使えるのだった。それは、服ではない。が、服である。
防水の服だ。普通に、防水の服だ。
少し時間はかかるが、塩水は少し我慢してもらうしかなかった。
生きるためには我慢することも必要だといい、うまく理解してもらうことに成功した。
それを色々ともってきた。
できないとは分かっていたが、試しに普通の服も持ってきた。
「な!?」僕は目の前で起きているものを見て、驚いた。
本田が服を火あぶりしていたのだ。「何をしてるんだ!」僕は慌てて起こった。
だが、彼はきょとんとした顔で僕を見てきた。いったい何を考えているのかはさっぱりだ。
彼はそのまま日の上に置いていたので、僕はため息をついてから眺めていた。
少しすると、彼は日の上から服をとって、自分の着ていた服を抜いた。
その暖かそうな服を着ると、彼は地面に寝転がって寝た。
それを見て、僕はいい考えをした。
「何か黒いものはあるかな…」海の中を見ると、黒いマットがあった。
ビニールでできているマットだ。多分、車を囲むために使われていたのだろう。
いったいどうして黒を使っていたのかは謎だが、とりあえず海に潜って持ってきた。
「これを…」上から残っている水を払い取り、地面に広く敷いた。
そのまま次の日になると、目の前にはぽかぽかとした黒いマットがあった。
重い石で端っこは止めておいたので大丈夫だろう。「これに…」近くにあった乾いた服をそれに置いた。
それを1時間後にはひっくり返し、また1時間ほど待っていた。
それを待っている間に、僕は海の中を眺めていた。ほかにすることがないからだ。
すると、あることを思い出した。なので、僕は海のど真ん中に向かってボートを走らせた。
ここは東京都だ。ということは少し行けばある場所に行けるはずだと思ったのだ。
少し走らせていると、東京タワーが見えてきた。
その近くには勿論東京スカイツリーがあった。
近くといっても遠くに見えるというだけだったのだが。
下を見ると、そこは大きな建物が揃っていた。
「ようがあるのは…」僕は東京スカイツリーまで行った。
そこの窓を靴で割ると、中に入った。
中は空っぽだった。
というのは誰もいなかったということだ。
まだ最上階は平気だったらしい。
非常口を開いて下を見てみると、めちゃくちゃ下に水が見えた。
「ということは…」これはすごい情報だった。
僕は下に行くと、そこには人がいた。
そこにいた人たちは僕を見るなり、びっくりした。
「どうしたの?今まではどこでいたの?」一番最初に訊かれたのはそれだった。
事情を説明すると、彼らに最上階へと来てもらうことができた。
時間はかかったが、彼らを全員島(山)に連れていくことができた。
これで人材が増えた。もっといろいろなことができるはずだ。
僕はそのまま無言でまた東京スカイツリーまで行った。
これで人はいなくなった。
「さてと、裁量集めに取り掛かりますか」