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ブラインド∹保健室の先生の温かい視線(?)

「おーい」後ろから声がしてきた。
私は誰なのかと思い、振り返るとそこには岸田先輩がいた。
あまりにも近くまで来ていたので、私は驚き、横にずれた。
先輩はいったい何をしたかったのかがわからないが、先輩はそのまま突っ込んでいった。
私は階段を降りようとしていたので、曲がり角にいた。
先輩はそのまま音楽室に突っ込んでいった。
今は昼休みだったので、そこには先生しかいなかった。
「あの…大丈夫?」先生に心配されて、先輩は慌てて大丈夫だといい、誤っていた。
だが、私が見るからにして、顔から地面に突っ込んでけがをしているようにしか見えなかった。
「大丈夫じゃないですよね、保健室に行きますよ!」少し強引だったが、私は先輩を引っ張って保健室まで行った。
そこには保健室の先生がいた。
先生は先輩を見ると、ため息をついた。その顔は、「また?」というような表情だった。
「また来るとは思ってたけど…」先生がそう言っているようにも聞こえた。多分昔にもいろいろおかしなことをしでかしてここへ来たのだろう。
だが、保健室の先生は2度目のため息をついてから優しく問いかけてきた。そういう人を嫌うような人ではないということが分かった。
「それで、今度はいったいどんなことをしたの?かわいい子に連れてこられて。1年生かな?」私は学年を当てられた。
まあ、今までで保健室に来たことがなかったので、充てることができるのも無理はないと思う。
「それで、何て言う名前なの?」私はとっさに答えた。「星乃ほしの羽奈はなといいます」それを聞き、先輩はポカーンとしていた。
「そういえば、名前を聞くのを忘れてた」それを聞き、私も口に手をやった。確かに教えたことがなかった。教えてもらっただけで、教えてはいなかったのだ。
星乃ほしの羽奈はなといいます」「岸田きしだ雄介ゆうすけです。よろしく」「こちらこそ」それを見ていて、先生は吹き出した。
私達はその時やっと自覚したのだ。今までずっと一緒にいたはずのお互いに、今頃自己紹介をしてよろしくといっているあほなことを。
「センセー!」私達は先生に向かってワーワー行ったのだった。
その後、一応先輩の擦りむいたひざは絆創膏をとりあえず張っておいた。
他にやることはなかったので、私たちはそのまま出ていった。それを見送った、多分、温かい目で見送っていたと思う。
多分。
「とりあえず、どうしたの?」私は先輩に呼ばれたことを思い出した。「えっと…」先輩は少し考えてから答えた。
「わ、忘れたかも…」彼は少し顔を赤くしていた気もしたが、多分だけど気のせいだろう。
その時、私はふと口に出してしまった。「そういえば先輩って好きな人とかいるんですか?」先輩は少し考えてから首を振った。
「特にそういうのはないね。しかも僕をスキになる人なんているのかな?」私はそれを聞き、にっこりとした。
「いますよ」私は心の中で思った。いる。先輩の目の前にいるのだから。先輩の目の前、あるいは私に一番近い人。
私はにっこりと笑ったが、先輩は首をかしげていた。